投資責任の否定に転じたZエナジー社の企業倫理

本会は、先達山メガソーラーへの最大の投資企業であり、その売電収益から莫大な利益をあげるZエナジー社とその主たる株主である三菱UFJ銀行、大阪ガス、NTTアノードエナジーに対して、早くからその企業倫理の内実を問い、投資家としての責任ある説明・行動を期待して求めて参りました。
 というのも、これらの企業はいずれも自社が環境に配慮した投資や地域社会との共存共生に配慮し、ESGやSDGsなどの理念や指針に従った投資行動を行うことを宣言・宣伝しているからです。
 しかし、これらの企業に対して質問状を送付し、先達山問題に対する認識や考え方を確認してきた結果、分かったことはこれらの企業はもはやこうした投資家としての責任を目を背け、誠実に住民からの疑問や懸念に説明する姿勢すら放棄したということです。
 以下、これまでZエナジー社から寄せられた回答内容を一気にまとめて紹介します。これらのやり取りを見て頂ければ、当初は、投資企業としての責任を認め、Amp社に改善を働きかけていた同社が、徐々に自社に不利な事実が明らかになるにつれ、前言を翻して、事実上、責任を放棄するような姿勢に転じたことがお判りいただけると思います。所詮、再エネ投資企業の企業倫理や責任感とは、この程度のものです。これでは、世の中が再エネ事業に対して否定的になるのも無理ありませんし、こうした無責任な投資企業を放置している国の政策や地方行政にも根本的な問題があります。

まず、本会が最初にZエナジー社に先達山への投資について尋ねたのは、2025年2月25日。

回答を得たのは3月7日。

同社は、先達山開発に投資した理由として、「環境アセス」はじめ必要な許認可を得ていること、

そして、この開発プロジェクトを主導し、管理業務を担うAmp社が「信頼に足る出資先」であると判断したことの二点を挙げ、この事業の正当性を述べいました。

また、Amp社が管理責任者として、住民への説明や対応を行うことが「適切である」と明言しておりました。

さらに、開発計画や工事の進捗状況、そして、周辺環境への影響についても、Amp社と密に連絡をとり、随時、情報を得ていること、

また、住民の反発や懸念の高まりも「真摯に受け止めて」おり、Zエナジー社自らも「必要に応じて追加の確認・調査を行っている」とまで述べていました。

そして、実際に2024年6月にAmp社が先達山の現場で泥水流出事故を起こした際には、同社に報告を求めただけでなく「必要な対応を促した」ことに触れ、投資企業として、出資先企業であるAmp社を適切に管理・指導していることを明らかにしておりました。

つまり、この時点では「今後も行政や関係企業と連携をとりつつ、市民の皆様のご理解・ご協力を得られるよう努める」という同社の姿勢には、ある程度の一貫性がありました。

こうした市民の懸念を重く受け止め、摯に向き合い、Amp社はじめ「パートナー企業と緊密に連携しながら」改善を模索していくという姿勢は、他の質問への回答にも示されていました。

つまり、この時点でのZエナジーの基本姿勢は、市民の声に「真摯に向き合い」「ご理解とご協力をいただけるように努める」こと。

そして、今後とも「市民の皆様と歩みを共にする」ことであったのです。

実際、この頃、Zエナジー社は実際にAmp社に対して、地域住民への説明や対応の改善を求めていたと思われます。

というのも、上記の3月7日付の回答が本会に送られてくるのと時を同じくして、Amp社は初めて2025年3月13日に住民との対話会に応じました。

また、続いて4月末から5月にかけて、メディアや住民に対して先達山の現地視察会も開催しました。

さらに5月10日は、Amp社社長のマルティン・シュタイン氏も福島に足を運び、対話会に参加しました。
➡  25/3/13 初の対話会記録(映像/議事録)
➡ 25/5/10 Amp社代表 マルティン・シュタイン氏との対話(映像/議事録)

左は25/6/27付けで、Zエナジー社から送られてきた追加の質問状への回答内容です。

一部、曖昧な答えもありますが、「事業主をはじめ関係者と連携をとりつつ、より良い対策を模索」するとの勢に変わりはありませんでした。

また、Zエナジー社は、住民からの質問や問い合わせは、基本的に「事業主体であるAC7社及び管理義務を担うAmp社」が受けるべきであるとしながらも、

「市民の皆様からご懸念の声が寄せられていることは投資家として重く受けとめているため」、本会もふくめて市民からの「お問合せに対しては可能な範囲で回答」すると明言しておりました。

私たちは、このZエナジーの誠実な姿勢には好印象を抱き、出資企業として、出資先のAmp社を指導し、先達山問題の解決に労を惜しまないのであろうと期待しました。

そこで、5月10日の対話会において、住民から追及を受けたことをきっかけに、Amp社が本会はじめ住民に対して敵対的な態度を見せ始めたことをお知らせし、評価の見直しと対応を求めました。

しかし、この点については同社は空くまでもAmp社を「信頼に足る」会社としての評価を維持しました。

他方、Zエナジー社のウェブサイトでは他のメガソーラー案件はすべて写真入りで紹介があるのに、先達山のみが写真が省かれている矛盾点を指摘しました。

これに対して、同社はそれは単に「運転開始前」であるからであり、運転開始後には掲載されるとの見通しを示しました。➡ Zエナジー社HP「プロジェクト紹介」(以下に写真掲載)

そして、最後は「引き続き皆様との対話に努める」との福島の市民に対する約束を繰り返して、回答を締めくくりました。

このようにZエナジー社の地域住民に対する誠実な姿勢は維持されていました。

Zエナジー社の「プロジェクト紹介」ページ。

なぜか、先達山は一番下で、写真も不掲載の不思議。

しかしながら、Zエナジー社の誠実な姿勢に揺らぎ始めたのが、左の8月8日付の回答からです。

上で述べた通り、Amp社は26年5月の対話会以降、本会に対して訴訟を予告するなど敵対的な姿勢を見せ始め、さらに7月1日の対話会においては、同社の法務担当の顧問弁護士である長谷部剛氏が、市民の前で本会代表に対して訴訟を予告し、市民活動を威圧するにまで至りました。

そこで、恐怖を感じた本会は、Amp社を「信頼に足る」企業として、出資してきたZエナジー社に、こうしたAmp社の住民対応について見解を求めました。

これに対して、Zエナジー社は、Amp社の独立した判断には、口をはさむ立場にないとして回答を避けたのです。

先に25/6/27付けの回答では、泥水流出事故を起こしたAmp社に対して「必要な対応を促した」と指導・干渉していたはずのZエナジー社が、市民活動を威圧するAmp社に対してはノーコメントの立場をとったのです。

さらに、Amp社は、この7月1日の対話会以降、本会とのコミュニケーションを一方的に断ち、その後、従業員がいないはずのAC7社から、住民対応の窓口を務めるという「謎」のメールが送られてきました。

これには私たちは大いに困惑したので、Amp社と密に連絡を取っているZエナジー社に説明を求めました。

しかし、Zエナジー社は詳細は把握していないと答えを濁しました。

そのうえ、25/6/27付の回答では、住民への懸念や質問には、管理責任者である「Amp社が専門的見地から説明や対応するのが適切」とまで明言していたのにもかかわらず、今になって「事業者であるAC7社宛に問い合わせるように」と前言を完全に翻しました。

ちなみに、AC7社は先達山施設の保有だけを目的とした特別目的会社(SPO)であり、従業員はおりません。当然、住民対応などできるわけがありません。

出資企業として、この事実を百も承知のはずのZエナジーが、このような回答をするとは不誠実極まりなく、同社の「転向」宣言に他なりません。。

ちなみに「AC7社」を名乗るメールは、Amp社が自社の責任を隠すために自社の社員に送らせた「偽装工作」であったことが本会の調査で明らかとなっています。
自称「AC7社」の正体は「Amp社」ーカオナシ企業の住民対応(~25年7月末)
「AC7社」を演じ続ける「Amp社」‐カオナシ企業の住民対応 II(~26年4月末) 

こうして、先達山への出資企業としての責任を認め、Amp社を管理・指導し、市民への懸念に寄りそい、共に歩むとまで宣言していたZエナジー社は、ものの見事に姿勢を180度転換させました。

市民に寄り沿う姿勢を棄て、事業者であるAmp社に寄り沿う姿勢に「転向」したのです。

こうした事態に、私たちは当然、困惑しましたし、失望しました。

Zエナジー社が出資企業としての責任を果たさず、住民の懸念に向き合わないのであれば、私たちとしては、このZエナジーを支える親会社、すなわちに大株主である企業に頼らなくてはなりません。

そこで、本会ではZエナジーの大株主である三菱UFJ銀行、大阪ガス、NTTアノードエナジーの三社に左の説明文を添えて、下記の質問状を送りました。

なお、ここに掲載したサンプルは大阪ガス宛のものですが、同内容のものが三菱UFJ、NTTアノードにも送られています。

なお、参考までにZエナジー社の株主は、この三社に限りません。

常陽銀行、東京会場日動、百五銀行、三菱重工、三菱総研、ゆうちょ銀行も出資しています。

つまり、錚々たる日本の大企業が、Zエナジー社を資金面で支え、先達山を含む数多くのメガソーラー事業からの収益を、配当金として受け取っているのです。

私たちはそのなかで大株主である三社にまずは見解を問うたのです。

しかし、この三者はいずれも回答を拒否しました。

回答を拒否したどころか、受領した事実すら通知してきませんでした。

ところ、その後、突如として、Zエナジー社から左の書簡が届きました。

なんと子会社であるZエナジーが、親会社である三社を代表して回答してきたのです。

とはいえ、その内容は事実上のゼロ回答。

しかも投資企業としての責任感・倫理観はさらに後退し、「弊社は事業主体の運営に関与する権限はない」うえに、そもそも自分たちはAmp社に「指示・介入を行う立場にない」とまで述べ、これまで以上に、投資企業としての責任や倫理的行動を自ら否定し始めました。

Amp社が住民対応を放棄し、またAC7社には実態がなく、住民対応ができないことを知りながら、住民に対しては「事業主体に聞いてね」と繰り返すばかり。

いやはや、Zエナジー社の誠実な姿勢には当初、期待していただけに、完全なちゃぶ台返しです。

私たちは、このZエナジー社ならびにその親会社である三菱UFJ、大阪ガス、NTTアノードエナジーには大いに失望しました。

参考➡ Zエナジー大株主・大阪ガスの「カオフタツ」対応

とはいえ、先達山問題が全国的に問題視され、福島市長以下、行政当局も解決に向けて動き出したので、Zエナジー社の姿勢にも変化があるのではと一抹の期待を捨てきれず、その後の事態の推移を見守りました。

しかし、先達山の状況は何ら改善せず、「光害」は深刻さを増すばかり。

もちろん、Amp社は相変わらず「雲隠れ」したままであり、AC7社を名乗るメールですら、完全に途絶えました。

そこで、この長らく放置された無責任状態について、Zエナジー社に改めて見解を求めました。以下が、その質問状です。

その最終回答がこちら。

前回とかわらず、全く自社の投資責任を否定。

本当に福島の現場で何が起きているのか、この会社は把握しているのでしょうか?

今後も「投資家の立場から日趙な情報収集や確認」を行うと言っていますが、一体、具体的にどんな情報を集めて、何をしようとしているのでしょうか?

要は自社に都合の良い情報だけ集めて、何とかこの投資を維持し儲け続けたいということでしょうか?

やはり、問題なのはAmp社だけではありません。

再エネ推進に名を借りて、単に利益追求だけを目指す投資企業。そしてそれを支える日本の大企業。

皆きれいな顔して、きれいな言葉を操り、福島の現状がどうなろうが、福島の住民が何を言おうが怒ろうがおかまいなし。

これが偽りなき日本の投資企業たちの倫理です。これが日本の経済社会の現実です。