現在進行中のAmp社との対話

先発、本サイトでも報告したように、Amp社の日本事業代表者のマルティン・シュタイン氏は、5月10日(土)に来福し、住民との対話に臨むことを確約されました。これは、3月13日(木)のAmp社との対話会にて同社長谷部氏が約束されたことであり、これが実現に至ったことは喜ばしいです。
 しかし、この実現も決して簡単なものではありませんでした。この間、本会とAmp社の間では様々なやり取りがあり、それを通じて、本会はAmp社に対する疑念と不信を強めた側面があります。また、同じく3月13日にAmp社が確約した4月15日以降の住民による現場視察に至っては、本日(4月18日)時点でも、Amp社が本会の求める形での住民視察を認めておらず、実現の見通しは不透明です。住民による現場視察は、住民が先達山開発に対して安心・理解を得るために不可欠の要素であり、私たちはAmp社と引き続き対話・交渉して参りますが、こうしたやり取り自体も住民の皆さまがAmp社の基本姿勢を理解するうえで有益ですので、

 ともあれ、この間の本会とAmp社との対話

以下、2025年3月13日のAmp社対話会以降のやりとりです。

Amp社からは対話後には、何ら反応も連絡もありません。

住民側から約束事項の確認を求めます。

返ってきた返事によれば、マルティン氏はお忙しいとのこと。

しかも、なんと4月中は無理であり、5月半ばごろと2か月先を指定。

ひと月に一回ぐらいやりましょう、という話だったのでは。

現場視察は、調整しますとのこと。

ただし、今の時点から車両移動に限る。

また「ヘルメット等の安全器具」に限りがあるので、大人数での案内は難しい、とのこと

ヘルメットの数足りないから、人数絞るっていう理由。

そんなにないなら、持参しますよ住民が。

住民を極力現場に自由に入らせたくない姿勢が最初から垣間見られます。

3月13日の対話を経ても、住民不信の視線には変わりないようです。

当然、私たち住民のAmp社に対する不信も増します。

とはいえ、対話の機会を逃したくない私たちは、マルティン氏との対話については、譲歩し、5月以降の日時を提示しました。

ただし、現場視察については、単に表面的・アリバイ的に行われたのでは困ります。

こちらの要望をお伝えしました。

特にAmp社は実際には現場工事を行っているわけではありませんから、1月14日の対話時には同席させていた奥村組・東芝プラントも交えて、現場視察の内容、あり方について、住民と相談するように求めました。

ついでに、マルティン氏の正式な職位、またAmp本社の連絡先をきちんと開示するように求めました。

最後に、今後のやり取りは公開でやることを求めました。

だって、私たち、別に秘密の対話や交渉は全く不要ですし、これは住民に広く理解を求めるAmp社にとっても同じはずですから。

これに対するAmp社のお答えは、一旦、協議するの事でした。

他方、この間に本会が作成した「Amp社概論」の内容に対してと思われるご異議申し立てがありました。

プライバシー侵害とおっしゃるので、長谷部氏との対話録の公開についてのご異議だろうと思いました。

以下、私からの回答です。

解説は不要でしょう。

とにかく、議論はすべて表にでて、公明正大にやりたいものです。

私たちは、公の場で対話しないと意味ないと思っています。

私たちはこれまでAmp社から十分な情報を得られていませんし、非公式の場で対話しても、情報を漏らすなと誓約書を迫ったり、あった事実を忠実に記録に残さなかったり、個別の住民や地区に対して不透明なアプローチをされてきた事実を確認しておりますので、すべてをガラス張りにしてやらないと不安でたまらないのです。

実際には、Amp社は、住民に対していつでも対応するし、担当者の携帯番号も開示していいと公言しながら、決して実行することありません。

住民と長期間にわたって信頼関係を築こうとするなら、御社の社員は進んで住民に姿を現し、その仕事ぶりを知っていただくことが一番に思うんですが。

こうした当方の疑問と問いかけに対するお応えが、こちらです。

なるほど、お仕事ぶりへの自信には個人差があり、名前を知られたくない方もいるとのこと。

その点は承知しました。

でも、ずいぶん、極端な主張ですよね。わたしたち、「私生活を公開」なんてしてませんよ。

議事録については、結局、出さないと明言されました。

住民との対話記録を残さないのであれば、私たちが残します。

これがすでに公開した⑤Amp社との対話備忘録 III(25/1/14 初対話会全記録)です。

この中では、Amp社鈴木氏が、住民対応のために行政に携帯番号を公開し、住民に伝えるように話したといった発言や、過去の住民説明会の中で「はげ山が出現する」ことをAmp社が明確に説明した事実があったかを確認して報告すると約束したことなどが確認できます。

こうした約束は、いずれも今日まで実現されていません。

記録がなかったら、おそらくなかったことにされていたでしょう。

このあたりについては、以下で反論いたします。

いずれにしても、そんな単純な主張をしているつもりはございません。

他方で、ここで気になるのは、ものを言う住民に対するAmp社のご見解。

なるほど、私たちは単に「市内に住んで景観を享受しているだけ」の存在なんですね。

そして、そんな住民には、Amp社とその事業に対して質問や苦情を寄せる権利はないと言い切っておられます。

じゃあ、お尋ねしますが、Amp社の定義する「住民」とは誰ですか?誰が御社の事業に対して批判する権利があるのですか?

法令に基づくより広い範囲での説明会って、もっと具体的に言ってください。

同じ庭塚地区内でも、説明会を開かない町内会があるのはどうしてなのでしょうか。すべては行政の判断のせいですか?行政は、事業者の責任と言っているようですけど。

それと、改めて以下の備忘録をお読みください。それでも、まだ住民に対して約束と違う誓約書を押し付けたり、議事録を出せなかったことを全く問題なかったと言い張りますか?

Amp社との対話備忘録 I

Amp社との対話備忘録 II

Amp社との対話備忘録 III

金銭提供に問題がなく、地元住民がそろって合意した事実があるなら、それは何ら隠す必要がないし、Amp社が自ら公表して自信を持って主張されたら良いではないですか?

こちらの主張を事実無根と断じられるのであれば、それを示す資料や情報をご開示ください。

また、私たち住民に対して事実無根を責めるなら、この事実を報道しているメディア、またこの報道事実を前提に、地元合意の在り方に問題があったという認識を示している福島市長あたりにも抗議されてはどうですか?

ここからは、私の反論と長谷部氏からのお返事の紹介です。

議事録を自分たちで作って、住民に提供すると言っておきながら、後からそれは「社外秘」の資料だと言いかえる。

しかも、社員の名前や肩書が知られることすら忌避する。

道理で、ひそかにオンラインで対話会を傍受し、また名刺交換を行わない社員もいたわけですね。

今まで、私たちもいろんな会社見てきましたが、こういう主張・感覚の会社は、Amp社が初めてで戸惑います。

やはり、こういう感覚・発想ですから、Amp社は、日本法人のHPも作らないし、「先達山太陽光発電所」のHPにも一切、会社の責任者の名前など出さないんですね。

会社に誰がいるのかを極力見えなくししたいのであれば、顔の見えない会社と言われても仕方ないですよ。

法人が公表している住所や代表者名を改めて紹介したところで、そこに何の問題があるのでしょうか?

こんな周知の情報について「我々が公開している以上の情報」と呼び、法人と個人を全く同等のものとみて、Amp社に異議を唱える住民に対して、お前の家の住所や写真を公開されたらどう思うか?と脅迫せんばかりの反発ぶり。

これでは、益々、Amp社に対する疑念は深まるばかり。

Amp社は、Weworkが運営するレンタルオフィスに入っているという事実は、あまり知られたくなかったようです。

そして、そこを訪ねて行って驚いたという住民の感想にも目くじら立てます。

ともあれ、この問いに対するAmp社の答えは非常に興味深いです。

オフィスが立派でなくても、真摯に対応する企業はもちろんございます。

Amp社がその例であると自認されているような印象です。

それならば、それを言葉ではなく、実践して証明して下されば、住民は納得しますし、御社の社会的評価はあがりますよ。

長谷部先生の法律論については、素人は軽々に判断しかねますが、建物の外観をわざわざ公開するのがプライバシーの侵害とか。

それじゃ、Google Mapはどうなりますかね。

普通、会社の外観なんて、人様に撮られるまでもなく、自分で宣伝・公開するものですよ。社会的評価・信頼を得るために。

他にも福島で開発行為を行っている企業はいくらでもあります。

でも、特にAmp社が批判されるのはなぜだとお考えですか?

その理由について考えて欲しいです。

このあたり、段々とAmp社の本音が出てきた感じがあります。

結局、Amp社は、地元住民の幅を限りなく小さくし、自社に対して異議を申し立てる住民を「住民」から外したいのかと思ってしまうような主張です。

企業としてリソースが限られていることを言い訳にしますが、むしろAmp社の事業規模や保有資金を考えたら、むしろ住民対応にリソースを注がなかったから、現在のような問題が生じているとお考えにはならないのでしょうか?

結局は、近隣遠方を問わず丁寧に拝聴するとおっしゃりますが、文脈を踏まえると、額面通りには受け取りづらいです。

これは本当に率直な気持ちです。

Amp社が、住民の知りたいことにこたえる立派な「Amp社概論」を作って欲しいです。

これがないから、住民が作らざるを得ないんですよ。

住民にこうした仕事をさせずに済むように予め十分な配慮・対話・情報公開をするのが、事業者の務めですよ。

でも、この訴えもむなしく響きます。

Amp社作成の「先達山太陽光発電所」のHP内容が乏しい(同HPへのリンクはこちら)ことを指摘したら、法令で求められていないのに、住民が求めるから、作ってやったとのだと言わんばかりのお答え。

やはり、本会が「Amp社概論」の内容を引き続き充実させていく必要がありそうです。

ともあれ、長谷部氏とのやり取りを通じて感じました。

まずは、この方と議論を続けるより、より重要な懸案事項について、Amp社からの回答を得る方が大事であると。

というわけで、方針転換しまして、Amp社に通知しました。

まずは、一旦、Amp社がお気になさる内容は極力修正するので、その代わり、5月10日(土)の対話会と工事現場視察について、早く確約してくださいとのお願いです。

このお願いと同時に、「Amp社概論」の内容を一部変更し、その中に同社に答えて欲しい質問事項を列記しました。

こうした、当方からは譲歩案を示しましたが、その後、一週間ほど音沙汰がありません。

すでに5月10日の対話会まで、一か月を切りました。

仕方なく、返事を催促しました。

また、この間、私たち住民より先にメディアには現場視察を許可したとの報に接し、この点について説明を求めました。

そして、催促の結果、ようやくお返事きました。

マルティン氏の参加確約です。

現場視察に対しては、本会よりも優先して案内すべき人々がいたためと事後的に説明。

しかし、そうだとしても、4/2付でメディアに対して4/25の視察を認めると通知しているのですから、私たちにももっと早く連絡し、日程調整ができたはずです。

そもそも私たちは3/19以来、住民と相談の上で現場視察を検討して欲しいと再三お願いしてきたんですよ。

それに応えず、催促されて、急に二つだけ日付を提示してくる。

しかも、業者の決めたコースをわずか8人で回るという内容。

これは私たちの求めてきた現場視察ではありません。

この返事と同時に、私たちが修正した「Amp社概論」に掲載した質問事項に対する回答も寄せられました。

これについては、追って別項で紹介します。

さて、私たちからの反応です。

まずは、対話会の日程と場所の案内です。

なかなか確定通知が来ないので、会場予約も苦労しました。

もちろん、大ホールなので前回以上にお金もかかります。

でも大勢来場されるでしょうから、大ホールがとれて良かったです。

ただし、二か月前から求めていた住民の意向を反映した現場視察について、全く考慮されていない点には、容易に承服いたしかねます。

この点はいかがでしょうか?

それに対する回答がこちら。

私たちは、なんでも好き勝手やろうとはいっていませんよ。

そうならないように、事前に話し合って、視察内容を考えようと提案してきたんですよ。

それに対して、注文をつけるような輩の立入りは認めないし、そんな注文は個人的なものだと切り捨てる。

やはり、Amp社には、住民と共に考える、住民を巻き込んで理解を得る、そして共生を図るといった姿勢が、決定的に欠けているように思います。

でも、諦めずに求め続けましょう。

きっと聞き入れてくれるはずです。

また、そうした期待を前提に、まずは最大限、視察の機会を生かしましょう。

そんな思い出の提案です。

これに対しては、添付書類と共に、こんな回答です。

安全を理由に人数を制限します。

現場視察の機会を住民に増やしてはという意見に対して、報道陣が「ありのままの姿」を見せるので周知できるというお考え。

さらに、住民が参加する場合には、氏名と住所を明示したリストを提示せよとのお達し。

ちなみに、添付されていた文書がこちら。

現場見学の次第です。

要は、安全・防犯を理由に、Amp社の決めたルートのみを見学し、許可された場所以外は撮影を禁止するとのこと。

また、そこで撮影した資料を「他社の権利侵害となる形式での使用」をした場合には「厳正に対処する」との警告。

うーん、よく具体的に何をそこまで警戒し、何を想定されているのかわかりません。

ちなみに運行ルートはこちら。

広大な敷地のごく一部ですね。

これを受けて、私たちは異議と要望をAmp社に伝えました。

その回答と合わせて紹介します。

ここからは、まさに現在進行形なので、解説も付しません。

代わりに、私たちの反応や質問を項目別に記し、Amp社から回答があり次第、情報を更新します。

再質問1)

①私たちは住民を代表して御社に対して住民が自由に参加できる現場視察の機会を要求してきたのであり、今回の視察に参加する者を会員に限るつもりはございません。
 ですから、福島市に住民視察の事実を伝えるのは構いませんが、人数のみお伝えください。

②次に、今回の視察を希望されている住民は、本会の会員に限りません。したがって、視察に参加することで、御社や行政当局に対して批判的な本会員と誤解され、御社や行政からの嫌がらせ・報復の可能性を恐れて、氏名・住所を公表したくない方もございます。御社は自社の所在地や建物、また自社社員の名前や肩書ですら住民から隠しいたいほどにプライバシーを尊重される会社ですから、こうした状況において、名前や住所を隠したい住民の気持ちがよく理解できるはずです。つきましては、視察参加者のうち、氏名・住所の公表を望まない方については、匿名での参加をお認め下さい。

③本会が求めているのは「安全上」「防犯上」の理由の具体性・切迫性についての説明です。 これに答えずに「素性のわからない人物を敷地内に立ち入らせない」とおっしゃり、また住民に理解を求める現場視察を、どこかのオフィスビルへの訪問と全く同じとみなして、氏名と居住地を明らかにしなければ許可しないと言うのは、住民に対する過度の警戒・不信感の現われに見えます。
 ともあれ、まずは「安全上」「防犯上」の具体的な危惧内容を明らかにし、それを回避する方法をご検討されたうえで、それでも残る問題があれば、住民と話し合って合意点を探りましょう。

④個人的な見解に基づく主張だから回答しないとは驚きです。すべての主張は個人的ですよ。こんな論理が通れば、対話は成立しません。
 私が御社のこうした言葉遣いや主張を警戒するのは、これまでの経験によるものです。御社は今日に至るまで1/14の対話時に、対話内容を「機密事項」として外部に漏らすなと一方的な内容の誓約書を住民に突き付けた過ちを認めていない企業です。
 こうした経験に基づく警戒を「過剰に反応」と評し、回答を避けるのであれば、御社自らが住民に対する丁寧な説明を放棄したみなさざるを得ません。
 どうか冷静にご反省の上、今一度、ご回答をご検討ください。

⑤御社のおっしゃる「本事業のHP」とは、あの内容の乏しい「先達山太陽光発電所」のHPのことでしょうか?確かに福島市のHPから、あのHPと問い合わせフォームへのリンクはあります。
 しかし、HPがあるなら、そのHP上で「住民の現場視察を開始」と宣伝し、申し込み方法や条件などを明示されたら良いではないですか?
 そもそも、あのHPには福島の現地担当である鈴木氏の名前も連絡先も明示されておりません。いずれにしても、一般論として「対応できることとできないこと」があるのは理解しますが、御社の場合は「対応できるのにしないこと」に見えてしまいます。
 いずれにしても、現場視察が可能となったことを広く住民に知らせ、住民の希望を取り入れた形での現場視察の実現にご尽力ください。それが地元と共生する企業の基本姿勢であると、私たちは期待します。