Amp社によるmore trees(故坂本龍一氏創設)への寄付金・宣伝事件の顛末

 Amp社が主導した先達山の乱開発型メガソーラーの実態が全国的に知られるようになってから早数年になります。この間、Amp社は地元の行政や住民から、再三にわたって先達山の緑化や景観回復、光害対策などを求められてきましたが、全く実効性ある対応を取らず放置し続けています。
 それにもかかわらず、Amp社(現Amp-lify)は全く反省の気配なく、自らが環境問題に敏感であり、地域の環境や課題解決に向けて取り組んでいるとの実績宣伝に余念がありません。
 一方で環境を破壊しながら、他方で環境問題への解決に取り組んでいかのごとく、自社を「グリーンな」企業のように宣伝することを、一般に「グリーンウォッシュ」と言います。つまり、己の「ブラックな」実体を、「グリーン」で蔽ってごまかすという意味合いがあり、こうした行為を繰り返す企業が後を絶たないため、近年、メディアや学術界でも頻繁に使われるようになってきています。

実は、その典型的事例ともいえるのが、先月の9月30日にAmp社のウェブサイトに掲載された左のようなアナウンスです。

その見出しからは、Amp社が「都市と森林をつなぐmore trees」という団体に何らかの寄付をしたことが示唆されています。

都市と森林がつなぐ活動をするということは、おそらく環境保護団体なのでしょう。

大規模な森林伐採を伴うメガソーラーを建設し、福島市民の愛する伝統的な美しい景観を破壊した企業には、ずいぶんと似つかわしくない行為です。

ともあれ、私たちはmore treesも知りませんし、この内容に違和感を感じましたのので、示された見出しのリンクをクリックしてみました。

すると、下のように、Amp社のロゴ入りの詳しい広報資料が表示されました。

なるほど、やはり more treesとは、森林の再生や劣化防止に取り組む森林保護団体(社団法人)であることが確認できました。

そして、森林の生物多様性を保全し、森林と人々が共生する社会の実現を目指すという同団体の使命にAmp社が賛同し、支援を申し出ていたことを知ったのです。

「支援」の中身は詳しく記されていませんが、おそらく金銭面での寄付なのでしょう。

先達山の森林を大規模に伐採し、はげ山を出現させたAmp社が、森林保護団体に支援とは笑止千万。

まさに「グリーンウォッシュ」の典型例に思われました。

正直、これを受け入れるmore treesは、一体何を考えているのかと思いましたが、この資料の中には同団体のアドレスも示されておりましたので、まずはリンク先を開いてみました。

これをお読みの皆さんも、以下のアドレスからリンク先をご覧ください。

☞ more-trees https://www.more-trees.org/

こちらもHPを見てみると、やはり森林保護・維持のために広く活動されるている社団法人でした。

「森と人がずっとともに生きられるように」とのスローガンに、うんうんとうなずきます。

そして、相当な活動実績を持つ団体であることに驚きました。

今まで311ヘクタールの植林をされてきたそうです。

ちなみ、Amp社が先達山で伐採した森林面積は60ヘクタールに近くに上ります。

せっかく、more treesが全国に植林しても、Amp社みたいな会社が次々にこの規模の森林を伐採してしまうのですから、なんだか徒労に思えますし、明らかにAmp社から寄付金を受けるのは矛盾しています。まさか、Amp社の代りに植林しているわけでもないでしょうに。

そう思うと、果たしてこの団体の長は、どこまでAmp社の実態を知っているのか怪しくなってきます。

そこで次に「創立者」と書かれたタブを開いてみました。

すると開けてびっくり仰天。一

何と、このmore treesの創立者は、あの世界的に有名な音楽家・芸術家の故坂本龍一さんではありませんか。

坂本さんは単に音楽家として偉大だったわけではありません。

思い出してみれば、坂本さんは晩年、小池知事が神宮外苑の再開発のために周囲の並木を大伐採しようとしたとき、いち早く声をあげ、世間に広く問題提起されていました。

この行動する知識人としての行動を、今になって思い出された方も多いでしょう。

参考までに、当時の坂本さんの言葉が行動の記録は、以下のページに詳しく整理・紹介されております。この機会に皆さんもご覧ください 。
☞ ウェブサイト「坂本龍一と神宮外苑を心配する」

これを見ると、音楽家、芸術家の枠を超えて、社会のため、世界のため、次世代のために声をあげて行動された坂本さんに改めて畏敬の念を覚えます


でも、残念ながら坂本さんは数年前にお亡くなりました。

それでは、この団体を、今はどなたが引き継いでいるのだろうと思って「代表メッセージ」に目をやると、またまたびっくり。

なんと、坂本さんのご遺志を継いで、団体の長に就かれたのは、世界的な大建築家・隈研吾氏でした。生前から坂本さんの親しいご友人だったそうです。

正直、今までmore treesの存在を知らなかった、自分たちの視野と知識の乏しさを反省しました。

私たちが知らなかっただけで、more treesは、日本どころか世界を代表する超一級の芸術家・建築家に率いられた森林保護団体だったのです。

他方で、そうであればこそ、なぜmore treesのような立派な団体が、その社会的使命や価値と全く相反する乱開発行為を行っているAmp社からの寄付を受け入れ、かつAmp社がそれを宣伝に使うことを許しているのか、益々不思議に思え、疑問が募りました。

この矛盾が、どうしても解せなかったので、悶々とするよりは直接聞くしかないと思い、more treesのウェブサイトにある「お問い合わせ」宛に、率直な疑問をぶつけてみました。

聞くべき要点は簡単です。
Amp社がどんな企業かご存じですか?
福島市の先達山で何が起きているかご存じですか?

これは「グリーンウォッシュ」じゃないですか?

すると、more treesから驚きの回答が届きました。

more treesは、Amp社から事実と異なる話を聞かされていたというのです。

さらに、本来、寄付元の企業は、その事実を公表していけないルールがあるにもかかわらず、Amp社は、その約束に反して勝手に宣伝材料に使っていたのであり、これらの事実を踏まえて、Amp社との関係を絶ち、寄付金は返金したというのです。

いろんな意味で驚きました。まずは、more treesのような公の著名団体に対しても、公然と事実に反する情報を伝えて欺いたAmp社の企業行動と体質。

次に、こうしたAmp社の問題に気が付くと、すぐに同社に責任を問い、寄付金を返し関係を絶ったmore treesの誠実さと対応の速さ。

やはり、坂本龍一さんの遺志を継ぎ、隈研吾さんが率いてらっしゃる森林保護団体は違います。

他方、こうしてmore treesから絶縁された事実を、当のAmp社はどう受け止めているのでしょう?

ぜひお聞きしたいところですが、Amp社は市民対応を放棄し、住民からの問い合わせもにも一切応じませんので、ご意見を聞こうにも聞けません。

仕方なく、同社のHPを開いていました。

すると、9月30日のmore treesへの寄付に関するプレスリリースは、いつの間にやら消えてなくなっていました。

そして、何事もなかったかの如く、今度は福井県での「実績」が新たに広報されております。

あれほど誇らしげにmore treesへの支援を宣伝していたのですから、これを取り下げたのは奇妙です。

やはり、more treesから約束違反を指摘され、釘を刺されたということなのでしょう。

しかし、その事実は一切公表せず、密かにリリースをを削除して終わり。

「グリーンウォッシュ」に失敗した事実は、「ホワイトウォッシュ(もみ消す)」と言うことでしょう。

 ともあれ、今回の一件を通して、more treesのような社会的に影響力ある森林保護団体が、Amp社の企業行動を問題視し、きちんと事実関係を確かめたうえで、サポーター企業から排除して下さったことには、深く感謝しております。勿論、これは社会的に影響力ある自然保護団体として当然なすべきことなのかもしれませんが、なかなかその「当然」をすぐに行動で示してれる団体は少ないだけに、more treesさんの良識は光りました。
 実際、more treesさんと比べると、福島市や福島県といった地元行政、そして先達山に投資・融資する企業達の行動や姿勢のみっともないことと言ったら、ありゃしません。自らの落ち度を決して認めず、問題が露になっても見て見ぬふりを続け、自らの社会的・倫理的責任を果たそうとする使命も勇気もない。
 仮にAmp社が提供する誤った情報によって、不本意ながら先達山の乱開発に加担するような形となってしまったと密かに思っているなら、率直にその事実を公に認め、だました側にきちんと責任を問い、誤った結果を是正させるべく本気で取り組むべきではないですか?
 これをなさずして、自分も騙されたようなもの(by 前市長・木幡氏の言葉)と弁明に終始するのは、単なる自己保身、自己憐憫に過ぎません。少なくとも、福島の社会と人々に対して責任を担う行政官・企業幹部が言うべき言葉ではありません。
 まあ、いきなり坂本龍一さんほどの見識は求めませんし、期待もしません。でも、せめて爪の垢ぐらいは煎じて飲んで欲しいですよ。お心当たりのある方方には。