昨日(25/11/4)『河北新報』が「福島・吾妻山麓メガソーラー問題 住民が批判「景観破壊は投資企業も責任」/識者は指摘「地域熟知する地銀が防波堤に」のタイトルの下、先達山開発に融資・投資する企業の責任について問題提起する記事を掲載しました。この記事は、先達山開発に係る企業の社会的責任を問う本会の活動を紹介しつつ、東邦銀行や七十七銀行など融資銀行の具体名をあげたうえで、地域社会に寄り沿うべき地銀が、地域の環境や景観を破壊し、地元住民の反発を買うような案件に融資している現状について、識者の批判的なコメントを紹介しています。(紙面記事はこちら)
本会は「注視」活動の開始当初から、先達山への融資/投資企業の社会的責任、とりわけ地元地銀である東邦銀行の責任について問題提起してきましたが、地元紙である福島民報、福島民友は、こうした事実や問題提起を一切報じようとはしませんでした。
しかし、この度、東北を代表する『河北新報』が、東邦銀行だけでなく、お膝元である仙台の七十七銀行の名前も挙げて、こうした地銀の融資責任について問題提起してくれたことは画期的であり、改めて、河北新報社の独立性・ジャーナリズム精神を感じさせる記事です。
さらに、今回の記事の末尾に引用されている東北大学経済研究科の高浦教授のコメントも秀逸です。同教授は、東京の大銀行に追随し、地域破壊型メガソーラーに融資するような地銀を念頭に、「大手銀行では分からない地域への影響を主体的につかみ、地域経済と自然生態系を守る防波堤の役割」こそが、本来の地銀に期待される役割ではないのかと問題提起されています。これは、まさに本会の思いを100%代弁してくださった金言といって過言ではないでしょう。
ちなみに当の東邦銀行は、先に本会からの質問状に寄せた回答の中で、先達山への融資は、協調融資のアレンジャーであるSBI新生銀行の判断・評価に従ったまでという弁明をしております。(本会からの東邦銀行への質問状と回答はこちら)。
今回の河北新報記事によれば、SBI新生銀行は今もなお、先達山への融資を福島の環境問題解決に資する「グリーンローン」として「適正」であると言い張っているそうですから、東邦銀行も同じ見解なのでしょう。まさに地銀としての主体性ゼロ。勿論、これは七十七銀行はじめ、他に東北から融資している秋田銀行、東北銀行なども同様です。こんな地銀ばかりですから、大手銀行やグローバルファンドから、東北全体が軽く見られるのでしょう。
そう考えると、「白河以北一山百文」の屈辱をバネに、この言葉から社名を取った「河北新報」のみが、東北人のプライドと心意気を感じさせる唯一の存在であり、希望なのかもしれません。ぜひとも、東北の地銀にも、その姿勢を少しは見習って頂きたいものです。でも、それが無理だからこそ、この惨憺たる現実。となれば、我々の期待は一つ。
出でよ、真に東北の民に寄り沿う金融機関。現れよ、「河北銀行」!