この度、Amp社より、本会代表に対して法的措置を検討するとの通知があったことは、先般の投稿に記した通りです。これを機会に、本会としてAmp社はじめ先達山開発に係る各企業に対してひと言申し上げます。
本会は先達山工事によって、平穏な日常生活を奪われた地域住民の団体です。自分たちの生活圏において突如、巨大な開発事業が行われ、これに当惑し、なぜこのような事態が生じたのか、その背景を探るべく情報を求め始めました。その中で、この巨大開発を主導したAmp社はじめ関連企業に対して、住民の目から見た不可解な点について質問状や対話を通じて問いかけを行ってきました。私たちは、こうした行動は自らの生活や環境を守るために必要かつ正当な行為と考えます。また、これらの住民からの問いかけに対して、当該企業は、自社の事業が福島の地域社会や環境に多大なる影響をもたらしている事実を率直に認め、これに応答する必要があると考えます。
しかしながら、Amp社は今回、住民に対して説明責任を尽くすのではなく、訴訟による口封じを示唆するに至りました。また、Amp社以外にも、本会代表の職場に対して、匿名の通報を行い、間接的に圧力をかけた企業があります。具体的には、本年2月ごろ、本会代表の勤務先大学に対して、同代表が不当な手段で銀行から情報を得ようとしており、「銀行が損害を被るようなことがあれば大学の責任を問う」といった趣旨の通報が寄せられました。言うまでもなく、これは代表の職場への圧力・脅迫を通じて、代表の福島での活動への妨害を意図しており、法的・社会的にも重大な問題性をはらんだ行為です。
本会代表ならびに副代表2名は、自分たちの生活圏を脅かす事業者に対して、正面から対話と議論を求め、説明責任・社会的責任を問うています。そのため、名前も出し、対話記録も公開し、自らの生業の多忙さと折り合いをつけながら、懸命に日々、活動しています。こうした私たちの本気での問いかけに対して、これを受け止め、正面から丁寧にかつ堂々と答える企業のなんと少ないことか!先達山の開発事業は、福島のためであり、環境的にも社会的にもポジティブ・インパクト(プラスの効果)をもたらすなど対外的に宣伝しつつ、それを住民の前できちんと根拠を示し、丁寧に納得いくまで説明し、合意形成を図ろうとする企業はどこにも見当たりません。それどころか、顔も姿も見せずに、住民個人を標的に陰に陽に圧力をかける企業もあるわけですから、普通の住民は怖くて物が言えません。勿論、私たち代表3名も、様々な心理的ストレス・葛藤に苛まれてます。しかし、地元に生きる人間としてやむに已まれぬ気持ちで必死に問いかけているのです。
メガソーラーを作って転売して逃げる企業や、遠隔地からその事業利益を得る企業の人々とはと違って、私たち福島の住民は、この地に根を張り、この先、何十年もあの無惨な景色とメガソーラーとを見続けなければならない立場です。こうした立場に私たちを追いやっておきながら、それに対する疑義や異議申し立てをしただけで、露骨な圧力を加えてくるような企業に対して、ひるむわけには参りません。この開発に係る企業、裏面で支える企業には、日本を代表する大企業が名を連ねています。いずれも、ESG、すなわち環境や人権、また透明性ある企業統治などを経営指針に組み込んでいます。それゆえに、本会として声を大にして訴えます。ぜひとも、そうした大企業にふわさしい社会的責任を今一度自覚してください。そして、その実践として、私たち住民に対して不当かつ不透明な圧力のかかることないよう関連先企業も含めて、その行動をきちんと指導・監督してください。私たち住民は逃げたくても逃げられません。私たちはここにいます。望んでいるのは対話です。真摯に向き合ってください。
2025年6月7日 先達山を注視する会 代表 松谷基和