2026年9月18日、福島市長は定例記者会見の中で、9月8日に非公開でAmp社のマルティン・シュタイン氏と面会したことを明らかにしました。この会見の模様については、以下のページですでに報告の通りです。
→ 参考 馬場市長、事業責任者のAmp社社長と面談。Amp社は法的責任を投資家、融資銀行に転嫁。光害への是正策も提示せず。
その後、新聞各社の報道が続きましたので、以下に整理しました。それにしても各社の報道内容・情報にかなりの開きがあり、この面談の重要性に対する認識の差がそのまま表れている印象です。

まず、最初に『朝日新聞』の福島版(26/9/19)
圧倒的に情報量が多いです。
単に会見で馬場市長が述べたこと以外にも裏付けのための取材を行ったことがうかがわれます。
シュタイン氏が光害を「重く受け止める」と言いながらも、事前には「思い至らなかった」と弁明に終始し、具体的な是正策を示さなかったこと。
また、事業責任を否定し、投資家や融資銀行に責任を転嫁するような発言をしていたことまで明らかにしています。
そのうえで、Amp社長が公の場で光害を認めたことを市長は「ひとつ前進」と捉え、今後の対応について関係企業と協議するようにAmp社に求め、これに対してAmp社長が前向きの姿勢を示したことを伝えています。
市長が会見の場で伝えた事実だけでなく、伝えなかった事実についても独自の情報に基づいて報じており、市民の公益に資する調査報道内容です。
ただし、Amp社が法的責任があると責任転嫁をしたAC7社自体が、Amp者が組成し、かつ単にプロジェクトを管理するためのペーパーカンパニー(特別目的会社)に過ぎず、実際には事業責任者として対応や協議の主体となりえないことについては指摘がありません。
もちろん、朝日はこれまでの報道で、この問題の指摘もしているので記者自身がご存じなわけですが、この機会に改めてこのペーパーカンパニーを使った無責任な事業体制についても言及してもらえたら、なお良かったと思いました。
続報に期待します。

これと比べると、同じ全国紙とは言え、毎日の扱いは小さいです。
馬場市長が会見で述べた事実の報道であり、独自の情報は加味されえおりません。
当然、この会見内容の意義や問題点についても突っ込んだ言及ありません。

この物足りなさは、『河北新報』も同様です。
単に事実の断片を伝えるだけ。
Amp社長が光害を「重く受け止めている」と言った事実を伝えるのみ。
馬場市長の発言についても、実際には、Amp社に対して、出資者や融資銀行など関係者とも協議するように求めたことを会見で明らかにしましたが、出資・融資企業の責任についても指摘があった事実を伝えません。
単に許された紙面スペースが少なかったからかもしれませんが、非常に表面的な報道です。
いつもの河北らしからぬ内容です。
追って調査を進めて報道してくれるのでしょうか?
期待したいです。

最後にご当地新聞の『福島民報』(26/9/19)
Amp社長が光害を「重く受け止めている」と発言したことを比較的大きな見出しで紹介しています。
ただし、それ以外の記事の中身は薄く、さほど読むべき内容はありません。
また、馬場市長が「AC7社も含めて今後の方向性を示すように」Amp社に求めたと報じていますが、この「AC7社を含めて」の意味が曖昧です。
実際には馬場市長は会見の中で、Amp社長に対して事業責任を問うたところ、自分たちはAC7社の委託事業に過ぎず、融資・投資家にも責任がある弁明してきたので、そうであれば、融資銀行・投資家とも協議して対応するように求めたというのが実情です。
おそらく、敢えて「融資・投資家」という言葉を出さなかった理由は分かりませんが、これまでの民報の報道せ姿勢を考えると、おそらく、先達山への融資責任が問われる銀行の中に、地元の東邦銀行が含まれているからではないかと思われます。
要は地元の財界に忖度したということです。
ただ、忖度新聞の民報であっても、東邦銀行が今年の総会で地元株主から先達山融資について質問が相次いだことを報じており、東邦銀行が地元の環境破壊案件に融資を強いる事実はもはや周知の事実であり、隠すべきことではありません。
となれば、今回の市長発言を聞いたなら、いちはやく東邦銀行を訪ねて、今後、Amp社と共に先達山問題の解決について対応策を練る意志があるのかについて、コメントをとってくるぐらい、できなかったんでしょうかね?
まあ、忖度が習慣化している地元新聞に、こんな期待はかけるのは無理であり、むしろ期待をかける方が間違っているんでしょうけど。
記事の薄さを埋め合わせるかのように、その隣に、福島市が再エネ規制を強めるための条例改正を進めており、パブリックコメントが予定されていることを報じているのは面白いです。
福島市長が再エネ事業に対してさらなる規制強化を求めるのは、Amp社のような無責任企業が再エネに名を借りて地元の環境や社会を破壊しているからです。
単に記事を並べるだけでなく、規制強化は先達山問題がもたらした必然的結果であることを解説して欲しいですね。
本当に地元紙には残念なことばかりです。