以下、2026年6月26日に開催された東邦銀行の第123会定期株主総会に参加した方々の情報を総合した見聞録です。
「すべてを地域のために」というスローガンを掲げる同銀行ですが、今回の総会で先達山への融資についての見解や対応を問われた経営陣は、まったく質問に誠実に回答せず、株主への説明責任を疎かにしました。さらに、その後、同行のウェブサイトで公表された株主総会の記録には、大幅な省略や改変が加えられており、もはやそれは意図的な改竄・隠蔽の領域に達していると言っても過言ではありません。
以下の内容を皆様につぶさに資料と共に確認していけば、東邦銀行とは単に地域の景観を破壊し、地元住民の生活や安全を脅かす問題案件への融資を恥じないどころか、そもそも上場企業にふさわしい社会的倫理観や責任感を持っているのかすら怪しく見えてくるはずです。
こうした本会の見方が妥当であるかは、皆様ご自身が、下記に提示する資料や事実をもとに、ご自分の目で確認し、判断なさってください。
まずは左の映像をご覧ください。
これは東邦銀行が自社のYoutubeチャンネルで公開している映像です。
➡ Youtubeへの直接のリンクはこちら 【東邦銀行】第122回定時株主総会動画(2025年6月)
この公開された情報の中には、毎年の株主総会の映像も含まれております。
左は2025年、すなわち昨年に開催された第122回の株主総会の記録です。
これを視聴すればお分かりの通り、前半の約25分が事業報告、残りの40分が株主との質疑応答に充てられております。
なお、質疑応答での株主からの多くは東邦銀行の顧客対応のひどさを告発するものであり、東邦銀行にとって決して心地よい質問ではありません。しかし、東邦銀行は、これも隠さずにきちんと公正に全面公開しております。
ところが、ところが、
左は、同チャンネルに公開された今年2026年度の第123回の株主総会の映像です。
➡ Youtubeへのリンクはこちら 【東邦銀行】第123回定時株主総会動画(2026年6月)
上の昨年の総会の映像と比べてみてください。
なんと前半の事業報告の25分だけで映像が終わっており、後半の株主との質疑応答部分がすべてカットされています。
これはどういうことでしょう?昨年まで見られたオープンな姿勢はどこにいったのでしょう?
これでは、質疑応答で何が話し合われたのか全く分かりません。
しかも、実は東邦銀行は総会の会場では、総会の様子をすべて録画し、後日、公開すると説明していました。つまり、総会の重要な構成要素である質疑応答を何の説明もなくカットして公開するのは、約束違反にあたります。
ともあれ、それでは,一体、今年の株主総会の質疑応答では、東邦経営陣と株主との間で、どんなやり取りがあったのでしょうか??

実は、その大半を占めたのは、先達山への融資に関する質疑応答でした。
この事実は、総会に参加していた地元の福島民報・民友によっても、翌日の朝刊にて広く報じられています。
普段、福島の行政や財界に忖度して、先達山問題に関する報道に後ろ向きな福島民報・民友ではありますが、さすがに株主総会で公に論じられた事実については、そのまま報道しています。
すなわち、今回の総会では「先達山事業に関する質問が株主から相次ぎ、佐藤稔頭取は「景観悪化や光害などについての市民の懸念を「重く受け止めて」おり、今後、事業者に対しては「エージェントを通じて改善を求めていく」と発言するなど防戦に追われたのです。
また、頭取が「重く受け止めている」といいながら、他方では専務が「融資をやめる考えはない」と明言したことも報じられました。
なお、この記事では、先達山への融資を主導したのがSBI新生銀行であり、それに協調融資(シンジゲートローンに参画)したのが東邦銀行はじめ地銀8行であることにも触れていますが、おそらく、これは地元紙が初めて先達山への融資責任企業を明言した記事ではないかと思います。逆に言えば、これまでは、こうした事実を知りながらも、積極的に地元民に知らせることはしてこなかったわけです。

福島民友も翌日の朝刊で同様の報道を行っております。ただし、民放と比べると扱いが小さく、内容も薄いです。
また、東邦銀行の先達山への融資ついて、民友は東邦銀行が「SBI新生銀行を通して融資している」と書いていますが、実際には東邦銀行は、SBIにお金を預けたわけではなく、SBIに追随して自行の20億円を直接に先達山の事業者に融資したのであり、このあいまいな説明は、東邦銀行の融資責任をぼかすかのような書きっぷりです。
他方で、民友は、新任の役員らのコメントについては、丁寧に紹介しています。
実は、この役員らは総会の場で先達山融資への見解を求められても、無視して一切答えなかった人たちです。でも、民友さんは先達山については、何も尋ねないので、取締役は安心してインタビューに応じ、雄弁に語ったようです。
つまり、民友の記者は総会の場におり、取締役が先達山問題について丁寧に回答しなかった事実を知りながら、別途インタビューの機会があった際に、こうした点について追及はせずに、あたりな障りのない表面的なコメントを得ては、懇切丁寧に報道しているわけです。
このあたりにも福島民友ならぬ「官友」ないし「財友」らしい特徴が表れているように感じます。
ともあれ、ここで大事なことは、福島の官報・官友的な新聞ですら、今年の東邦銀行の総会では、先達山への融資に関する質問が大半を占め、頭取が釈明に追われた事実を報道しており、それはすでに世間(地元)で周知の事実になっているという点です。
それにもかかわらず、当の東邦銀行は、この総会の録画映像をを部に公表するにあたっては、後半の質疑応答部分を全面カットし、先達山をめぐるやり取りを一切見せないようにしているのです。
昨年の総会については質疑応答も含めてすべて公開しているのですから、今年の分だけ質疑応答カットしながら、これは意図的に隠蔽を図ったと疑われても仕方ありません。

こうした東邦銀行側の隠蔽の意図は、同じく同行のウェブサイトに公開された左の「質疑応答概要」の内容からもうかがえます。
➡ 東邦銀行HP 第123回定時株主総会 質疑応答概要および事前質問への回答について
ここでは先達山に関する質問が一つの項目にまとめられ、それに対する東邦側の答えが記されています。
しかし、実際に総会で行われた質問は複数あり、しかもそれらは、先達山融資に対する経営陣の考え方、地元の地銀としてのモラル、融資先管理の適切性などを問うものであり、東邦銀行の経営陣の良識や責任を問うものでした。
しかし、こうした事実を一切なかったことにしてまとめたのが左の資料であり、これを自行のHPで総会のまとめとして公表しているですから、やはり東邦側には意図的に事実を改竄し、隠蔽する意思があったと見られて不思議ではありません。
それでは、実際に総会でどのようなやり取りがなされたのか?
以下、総会に参加した当事者の記憶に基づき、概要を紹介いたします。これらは、記憶に基づく再構成ですから、実際のやり取りとの間には一定の齟齬が生じている可能性はあります。しかし、以下の記述が、ほぼ事実通りであり、その正確性について事後的な検証に耐え得るものであることは、後日、東邦銀行が映像記録を全面公開すれば自ずと明らかになるでしょう。ですから、読者の皆様や東邦株主の皆様は、この事実の確認のためにも、ぜひとも東邦銀行に今年の総会記録の全面公開を求めてください。そして尋ねてください。「なぜ昨年までやっていたことが、今年はできないんですか?」と。
多少前置きが長くなりましたが、以下、当日の総会の様子の見聞録を記します。
会場の場所
今年も総会の会場は、東邦銀行の本店。福島市の中心部、大町にあります。
日銀福島支店の近くです。福島のウォール街、というにはあまりにもさびれた金融街です。
かつての活力ある福島市を知る地元民であれば、嘆息して「昔の光いまいずこ」と思わざるを得ません。
なお、本店横には大きな駐車場があります。
普段は有料ですが、総会の日は参加者のために無料開放。これは当然とはいえ、楽でありがたかったです。
過剰な動員
駐車場から本店に歩きます。本店など滅多に用事ないので地元民でもここの入るのは初めての人が多いです。
いざ玄関から中に入って驚いたのは、ロビー、廊下、エレベーター、そして会場前の受付には、若い行員が「うじゃうじゃ」とひしめいていることです。
すべて株主総会の対応にあたる行員です。
確かに、お客さんである株主への適切な案内や誘導は必要でしょう。
でも、素人目に見ても、絶対にあんなに人員はりません。端的に言って、過剰動員です。
こうした過剰な「おもてなし」の有様を見ていると、おそらく東邦銀行とは、普段の業務においても無駄な作業や人員に多額のコストをかけ、非効率な経営をしている銀行なんだろうとなと思わざるを得ませんでした。
令和のエレベーターガール?
ちなみに、この動員された人員の多くは女性行員でした。後で関係者に聞いたところによれば、こうした若い女性行員は総会のために各支店から集められて来るのだそうです。
ちなみに、我々を驚かせたのは、過剰に配置された人員、女性行員の数だけではありません。何よりも、我々が「おったまげた=びっくりした」のは、なんと昭和時代に絶滅したと見られていた幻の「エレベーターガール」が、東邦銀行内に生息していたことです。
うじゃうじゃいる行員の間を縫って案内されたエレベーターに乗り込むと、なんとそこには、操作パネルの前に立って、総会の会議場のある8階のボタンを押してくれる女性行員がいるではありませんか。いやあ、令和の時代に、まだエレベーターガールが生きているとは。嬉しいやら、悲しいやら、時代遅れの福島。
おそらく、この銀行を支配する経営陣にとって、女性行員をエレベーターガール業務に配置することが、株主様・お客様への「サービス」の一環であり、「おもてなし」の心の表れなんでしょう。しかし、我々から見れば、昨今の一般社会ではお目にかからない現象ばかりであり、こうした表面的な「おもてなし」業務に限って、ことさら若い女性行員を大量に動員して、必要以上に配置し、それを当然と思っている東邦経営陣の時代感覚には、かなり違和感があり、おそらくこの会社は「ジェンダー問題」をまじめに考えて、教育していない企業であることは容易に想像できました。率直に言って、我々には、東邦さんの「サービス」は奇妙であり、単に「福島の旧態依然たるオヤジの趣味」に見えたことを告白しなければなりません。

会場の配置と総会開始
東邦銀行の株主総会の会場は次のようなフォーマットになっております。
会場には全部で300席ぐらいあったでしょうか。かなり空席もありましたが、200名ぐらいは入ったでしょうか?
前方には大きなスクリーンと日の丸。そして縁どられた東邦の旗。
「すべてを地域のために」と言いながら、日の丸はあっても、福島の地元のシンボルは何もない。
福島県や福島市の旗を掲げろとは言いませんが、キビタンやモモリンぐらい飾ったらと、提案したくなるような暗く地味な雰囲気。
自らの口で事業報告をしない頭取
さて、以下の記述は冒頭にもかかげた、当日の映像記録を確認しながらお読みください。
➡ 【東邦銀行】第123回定時株主総会動画(2026年6月)
まず、総会のはじめには、佐藤稔頭取から開会の宣言と挨拶があります。続いて、総会の報告事項の柱ともいうべき今年度の事業報告があります。
ここで我々が驚いたのは、東邦銀行の昨年度の会社業績を株主に説明するという最も重要な報告を、佐藤稔頭取は自ら行うことなく、すべてを録画映像に委ねた点です。上の映像記録の5分8秒あたりから、事業報告の映像が流れ、これが10分も続きます。
NHKのニュースのように同じニュースを一日に何回も繰り返すのであれば、こうした録画映像やAI音声を使うことも理解できる余地はあります。
しかし、東邦銀行の株主総会は1年に一度、かつ数百人の株主を集めたその席で、一番重要な事業報告を頭取が自ら行わないとしたら、何のためにこの方は頭取名乗って議長席に座ってるんでしょう?
東邦さんの頭取は、そんなに人前でのプレゼンに自信がないんでしょうか?あるいは株主ごときの前で報告する労力を惜しまれたんでしょうか?普通だったら、史上最高益という晴れがましい報告内容なんですから、普通なら、自ら進んで喜んで株主に直接に報告したいと思うと思うんですが。
ああ、それなのに、それなのに。お忙しい株主に会場にまで足を運ばせておいて、映像見せて「はい、終わり」とは。
まさか、これが「エレベーターガール」と並ぶ、東邦さん独特の「おもてなし」のスタイルだったのでしょうか?
少なくとも、我々は、そうは受け取りませんでした。むしろ、この銀行は自らの言葉で語れないトップに率いられた「カオナシ」企業であり、株主と向きあい、信頼を醸成する意欲が欠如しているとの印象を持ちました。
先達山問題について頭取が冒頭に事前回答
さて、この無機質な映像による退屈な事業報告が終わった後、いよいよ我々株主が待っていた質疑応答が始まります。
まず冒頭に頭取側から、一方的にルールが告げられます。1)質問は1人につき1問、2)質問者は議長が指名し、質問者はマイクで質問した後、席に戻る。
このルールは、長々と無関係なことをしゃべり続ける株主を未然に防止するために必要と理解しました。とりあえず、同意を求められたので一応、容認。
さあ、いよいよ質疑応答の開始、と思いきや、その前に、まず頭取の方から一言。
「株主様から事前にオンラインで受け付けた質問のうち、質問が多かったものについては先に回答します」
実は株主は事前に送付されてきた資料にあるリンクから、銀行側に事前質問を送ることができたのです。この中で関心の高い質問に対して、最初に頭取が回答するというのです。
実は、そのうちの一つが、先達山メガソーラー事業への質問でした。この時の頭取の回答をすべては記憶しませんが、手元のメモを読み上げていたので、おそらく、そのメモは後日、東邦銀行がHPに公表した「質疑応答の概略」に示された回答であったと思います。
この資料は、本ページの冒頭で紹介した、東邦銀行側は大幅に改変・改竄したと思われるものです。
➡ 第123回定時株主総会 質疑応答概要および事前質問への回答について
一応、ここに示された「先達山メガソーラー事業への対応について」の回答を、資料から全文を転記します。
「先達山太陽光発電事業に関する融資につきましては、株主さまや地域住民の皆さまから様々なご意見・ご懸念が示されていることを強く認識しており、融資金融機関として重く受け止めております。現時点では、地域住民の皆さまから示されている様々なご意見・ご懸念を踏まえ、エージェントと連携し、景観・反射光等について早期かつ抜本的な対策の検討・実施を事業者に強く要請しております。今後もエージェントと連携し、地域との共生に向けた改善策を求めてまいります」
我々の視点から見ると、この黒塗り部分が非常に重要です。ここで東邦銀行は融資責任を認め、事態を真剣に受け止め、今後の改善を事業者に強く求めると約束しています。この言葉通りであれば、今後、東邦銀行は実際に行動し、その結果を株主はじめ地域住民に示す必要があります。住民は一段と東邦銀行に期待し、その約束履行までの動きを注視しなければなりません。
東邦銀行が、ここで先達山への融資責任を認め、事態の改善に向けた働きかけを明言したことは一定の評価ができます。おそらく、東邦銀行のトップが公の場で先達山融資への責任について言及したのは、これが初めてだったのではないかと思います。逆に言えば、これまで東邦銀行は地域住民に対して、極力、この事実を伏せていたということにもなります。
実際、頭取はこの回答の中でも、先達山への融資の経緯や融資額、エージェントや事業者が誰であるかの情報は明らかにしていません。実際の融資額は20億円、エージェントはSBI新生銀行がであり、事業者がAmp社/AC7社であることは、すでにメディアによっても、我々のHPを通しても報道されており、世間では周知の事実です。にもかかわらず、なぜか東邦銀行は、先達山にかかわる企業名を具体的に明らかにしません。お仲間をかばっているということでしょうか?
ちなみにSBI新生銀行の株主総会でも、川島社長はAmp社/AC7社を「A社」と呼んで曖昧にしていました。自社が融資した先の会社の名前を明かせないというのは、よっぽど後ろめたい会社・事業に融資しているという自覚の表れに思えます。
➡参考 SBI新生銀行社長、株主総会で先達山融資について弁明 26/6/24
株主との直接の質疑応答
事前質問への頭取の回答が済むと、いよいよ会場の株主との直接の質疑応答が開始されました。
頭取が最初に指名した二人は、先達山とは無関係の意見陳述でした。これらの質問・コメントは、例の東邦銀行がネットで公表した質疑応答の記録資料では、質問3や質問4に整理されたものと推測されます。ただし、質問4の中では、東邦の提携相手の七十七銀行は信頼に足らない銀行であるので提携を考え直すようにという発言があったのですが、同資料ではしっかりカットされています。同業のお仲間への配慮からでしょう。ちなみに、七十七銀行は先達山に10億円の融資をしているシンジゲートローンの同じ仲間でありますが、このあたりも考慮されたのかもしれません。

①環境配慮に優れた取締役がなぜ先達山融資?
頭取が3番目に指名した株主から、以後、連続して先達山関連の質問が相次ぎます。
最初の質問者は、次の趣旨の質問をしました。
「総会議案の2番(取締役の選任)に関して質問する。取締役選任の判断材料として各人の得意分野を示した「スキルマトリックス」が公表されている。
➡第122回定時株主総会招集ご通知(交付書面)(PDF:2,894KB)p.10
これによれば現経営陣はすべて「サステナビリティ」すなわち環境配慮に優れているとされ、かつ地域/共創にも通じている人も多いことになっている。しかし、実際には先達山を破壊し、景観を荒らし、地元民を嘆かせ、かつ光害まで作り出したのが、この融資案件である。光害については、最近は福島市までも調査に乗り出したほどであり、明らかに地元民に迷惑をかけている。しかもこれは今に始まったことではなく、数年前の工事の時から問題は明らかになっていた。なのにこれを見逃し今日も融資を続けている。どうかんがえても経営陣の見識・判断は到底信頼できないが、どのように考えているのか?」

この質問を終えた株主は、ルールに従い、自席に戻り回答を待ちました。
すると、頭取はこのような発言をしました。
「ただ今のご質問は、スキルマトリックスに関する質問ですね。マトリックスについてはのご質問は担当取締役の何某から回答いたします。」
なんと、質問の趣旨を意図的に捻じ曲げて、このマトリックスに関する技術的な質問に置き換えて、左のような回答を担当者に棒読みさせたのです。
質問者は、さすがに憤慨し、会場から「答えになってません」と声を上げましたが、聞こえないのか、無視したのか、頭取はこれで質問を打ち切りました。
この質問者に聞けば「これほどのだまし討ちというか卑劣なやり方はない。後から録音聞けば、質問の趣旨はマトリックスにないことは明らか。都合よく質問の趣旨を変えて適当に答え、質問者に二の矢を継がせない。結局、質問をしたら座席に戻れというルールは、質問の趣旨を捻じ曲げて、不誠実な回答をしても質問者が追及できなくするための仕組みである」として、東邦銀行に対する信頼は完全に尽きたとまでお怒りでした。
②取締役は自分の言葉で語ってほしい
さて①の質問が、頭取によっていい加減にあしらわれたことは、会場にいる誰の目にも明らかでした。このことは、次の質問者が、より明確にしてくれました。この2番目の質問者は次のように問いかけました。
「自分も今の質問に関連した質問をしたい。取締役は一体、この先達山問題についてどのように考えているのか。一人ひとり自分の言葉で思いを語ってほしい」
まさに、直球の質問です。前の質問で、取締役候補者の見識が問われたのに、佐藤頭取がごまかしたことを踏まえて、この質問者は、より明確に取締役の一人一人に自分の言葉で先達山融資への見解を語ってほしいと求めたのです。この総会の第2号議案は、取締役の適切性を見極め、それを選任する目的なのですから、当然、取締役候補者は自らの言葉で説明してしかるべきです。
しかし、佐藤頭取は「この場は取締役が一人一人答える場ではないし、その時間もない。それに先達山への対応については先ほど申し上げた通り」として回答を拒否しました。今回も席に戻った質問者は、座席から「答えになっていない」と言いましたが、これも頭取は無視して打ち切りです。
仮に百歩譲って、時間の制約で取締役全員が答えられないのだとしたら、それでは佐藤頭取が代表取締役にふさわしく、皆を代表して自分の言葉で語ったら良いでしょうに。そうした誠意ある行動は全く見られず、回答を拒否して終わり。こんな対応では、地元株主の心はますます遠ざかるばかりです。
③Amp社にはきちんと指導しているのか?
三番目の質問者は、先達山事業の実態をよく把握されており、その実質的責任者であるAmp社に対する東邦銀行の指導の実態についての説明を求めました。先に佐藤頭取は先達山に対する市民の懸念を受け止め、「事業者に対して強く改善を要請していく」と述べていたわけですから、本当に東邦銀行がAmp社に対して効果のある指導ができているのかは重要な問題であり、これは株主ならずとも市民が広く知りたいところです。
これに対して回答に立ったのは、頭取ではなく専務。その趣旨は以下の通りです。
「事業者には会ったことはあるが、定期的には会ってない。ただし、エージェントを通して要請しているし、情報を得ている」
この答えの意味するところは、結局、東邦銀行は、実際には自分ではほとんど何もしておらず、すべてはSBI新生銀行にお任せだということです。
つまり、口では「強く要請」なんて言っても、実際には東邦が地元への責任を感じて、Amp社に対して直接に要請したり、指導することなどないのです。こうした回答を聞けば、これまでの間、地元の東邦銀行から融資を受けているAmp社/AC7社が、東邦の大事な顧客のいる目の前で、何らはばかることなく堂々と先達山を破壊し続けていた理由がわかります。東邦さんには何らこの問題を自分の問題として受け止め、主体的に動くつもりがないのです。
それにしても、地元の個人や中小企業への融資は厳しく監視することで知られる東邦さんですが、SBIさんと一緒の協調融資先となると話は別のようで、Amp社/AC7社のような融資先企業が、地元福島の環境や社会を破壊しても見て見ぬふり。融資の見直しはおろか、事実上の野放しを許すのです。
「すべては地域のために」なんて標語を掲げていますが、これも口だけ。裏の標語は「すべては自行の利益のために」ではないでしょうか?
④ 結局、先達山からは撤退は考えないのか?
四番目の質問者の問いかけは、実に簡潔明用。佐藤頭取が、それまでの質問をすべてはぐらかし、きちんと答えないことを知ったからでしょう。明確な回答を引き出すためにと思われますが、はっきりとYes,Noで答えられるよう、「結局のところ、先達山への融資を撤回するつもりはあるのか?」と正面から問うたのです。
これに対して、佐藤頭取は自分の口で答えず、再び、遠藤専務に答えさせます。
毎度、国会答弁の官僚よろしく、カンペをもって出てきた同専務は、棒読みで答えを読み上げます。
しかし、意外だったのは、その答えが今までになく明確であったこと。
「撤退するつもりはございません」
いや、お見事。初めて、質疑がかみ合いました。その気になれば、東邦銀行の経営陣にも質問者の意図を理解し、きちんと回答する能力はあるようです。
この「撤退しない」という回答は新聞各紙にも引用されるほど、注目を集めました。
しかし、我々が注目したより重要な点は、こうした結論を導き出した判断根拠を全く示さず、結論だけを強調するという回答のあり方・姿勢です。
曲がりなりにも、佐藤頭取が、先達山に対する市民の懸念を重く受け止め、事業者に対しても強く改善を求めていくと宣言した後なのですから、仮に今後とも事業者が要請を無視し、市民の生活と安全に反する事業運営を続けるような場合、東邦銀行としては、やはり融資の見直しや撤回も検討しなければならない状況は十分に想定できます。
ところが、遠藤専務は、こうした頭取発言などなかったかのように、何のためらいもなく、条件も付さずに、結論ありきで「撤退しない」を強調したのです。このことは裏を返せば、東邦銀行は、今後とも融資先の事業や事業者の健全性に責任を負わないことの宣言です。とにかく、融資した時点で行政許可も得ており、合法的であれば、何ら主体的にその実態を調査し、見極める作業はせず、ただひたすら融資を続けて「撤退しない」と今から宣言しているのです。改めて、東邦銀行の融資判断には主体性がなく、その融資結果に対する責任感も乏しいことがわかります。
「過ちを知りて改めざるを、これ過ちという」と、孔子様の教えですが、まさに東邦銀行に送りたいです。単に勇ましく「撤退しない」など繰り返すのは匹夫の勇。君子は常に豹変すべきなのです。
⑤ひたすらに「恥ずかしい!情けない!」という東邦銀行への失望
次の質問者は、質問というよりは、地元の株主としての切々たる心情を述べました。
「とにかく、先達山の惨状を見て、これに地元を代表する地銀の東邦銀行が融資をしている。それに対して問題を十分に感じていない。ひたすらに恥ずかしいし、情けない」
この質問者は力を込めて、本当に嘆息しながら、何度も強調して繰り返しました。先達山への融資問題が、地元民をいかに傷つけ、苦しめているかを感じさせる悲痛な叫びに聞こえました。
普通、地元の株主から、こんな悲痛な胸の内を聞かされたら、多少なりとも頭取の感情も動きそうなものです。
しかし、期待してはいけません。
佐藤頭取は、こうした意見を聞いても、さらっと「ご意見承りました」的な反応で終わり。
頭取も同じ町に住む人間じゃないですか。地元で大学生活を送り、今でも地元にお住まいなんじゃないですか?同じ町に住み、同じ景色を見ている地元住民から期待されているからこそ「東邦さん、頭取さん、どうしちゃったの?情けない」と心配され、叱咤激励されているんですよ。
これに対して、なんと鉄面皮な回答。今の言葉でいう塩対応。これじゃ、とても地元の世論をやわらげ、地元民からの信頼回復はできませんよ。

⑥ユナイテッドのHP写真について
6番目の質問は、大変興味深いものでした。先達山に関連する質問ですが、ちょっと角度の違う質問だったからです。その趣旨は以下の通り。」
「自分はサッカーファンであり、東邦銀行が福島ユナイテッド[地元のJ3クラブ]をメインスポンサーとしてを支えていることを高く評価している。最近、ユナイテッドが新たなスタジアム構想を打ち出したが、木造づくりで、環境に配慮した最新型である。素晴らしい。
ところで、この最新型の環境に配慮したスタジアムの設計・構想のモンタージュ写真が、ユナイテッドのHPに掲載されている(左図)。しかし、よく見ると、この自然と調和したスタジアムの背景にある吾妻山麓には、本来そこに存在するはずの先達山メガソーラーが消されている。東邦銀行が環境に配慮して融資したメガソーラーなら、なぜこの写真から削除されるのか。むしろ積極的に載せて宣伝すべきではないか?」
これは意表を突いた質問で会場も沸き、拍手も聞こえました。さあ、頭取の回答やいかに。
佐藤頭取「私たちが撮った写真じゃないから・・・」
いやはや、頭取のおっしゃる通りです。確かに東邦銀行が、この写真を撮ったとは思いません。ただ、全面的に支援しているクラブのスタジアムの宣伝写真に、自行が融資したメガソーラーが写っていないのはもったいないし、不自然ではないかというのが質問の趣旨ですよ。スポンサー先の企業が、地域と共生共存する環境に配慮した美しいスタジアム構想を出したのですから、同様の趣旨と目的で先達山メガソーラーに融資したメインスポンサーの東邦さんとしても、「うちのメガソーラーも写真に入れて一緒に宣伝してよ」ぐらい言ってもよいのでないかと、この質問者は不思議に思ったのですよ。
それを一言で「うちが撮った写真じゃないから」で、うっちゃっておしまいなのは、なんとも消極的で逃げ腰です。?
先達山融資は「撤回しない」と断言した直後なのですから、自信をもって「確かにそうだ。うちのメガソーラーが消されているのはけしからん」ぐらい述べてこそ、つじつまが合うんじゃないんですか?

ついでですが、先達山の開発途中には、ユナイテッドのユニフォームには事業責任者であるAmp社が広告を出していました。
今考えるとぞっとします。
先達山を目の前で破壊している企業がしれっと、地元のクラブのユニフォームに名前を出していたのですから。
当時、地元民の大半は、こんな事実を知りませんでした。
メインスポンサーの東邦銀行さんは知っていたでしょう。
でも、お仲間ですから何も市民に知らせなかったのは当然です。これを知ったらユナイテッドファンもきっと憤慨したでしょう。

さらに言えば、ユナイテッドのユニフォームの図柄に、美しき吾妻山の風景が登場したこともあります。
実際には、そのころ、吾妻山の右下には、左のような醜い工事が展開していました。
この破壊を主導したAmp社のロゴが、パンツに出ていたのですから、これはまさにブラックジョーク。
こうしたAmp社の無知な住民を愚弄するかのような過去の行為については、以前に別ページで指摘しました。この機会にご覧になり、こうした企業の主導する事業に融資し、いまだに「撤回しない」を宣言している東邦銀行の企業倫理について、今一度、お考え下さい。
➡①Ampが街にやってきた
最後に一言
この街の第一地銀と称される東邦銀行。その頭取の権力と権威にひれふし、尊敬を払う方も少なくないでしょう。でも、今回の総会で佐藤頭取の見せた一連の言動をみたら、心の中ではがっかりする人多いと思いますよ。こういう方が、福島を代表する銀行のトップであり、財界の顔なのかと。そして、ささやく人もいるでしょう。「地元民としては、カオナシだね」と。
果たしてこのような評価が、我々の一方的な偏った見方であり、誹謗中傷めいているのかは、ぜひとも広く世間の皆様に判断していただきましょう。そのためには、一刻も早く、東邦銀行が録画映像を全面的に公開する必要があります。昨年までやっていたことなのですから、今年に限ってできない理由は見つかりません。しかも、東邦銀行は総会の冒頭で、会社側で総会の様子を録画し、後日に配信するので「会場の株主の皆様には録音や録画をしないでほしい」と要請していたのです。我々は素直ですから、この東邦銀行の言葉を信じ、録画・録音を控えために、手元には当日の録画・音声記録がないのです。ですから、東邦さんが録画を公開してもらわないと困るのです。我々の主張の信憑性を示すには、これが必要なのです。
ところが、こうした約束を反故にし、それどころか録画遺贈を都合よくカットし、なおかつ質疑応答の内容を大幅に改竄して、これを一方的に公表しているのですから、これは世間を欺く隠蔽工作であり、上場企業としてあるまじき行為と言わねばなりません。
ぜひともこのページをお読みになった皆様、このページの主張を疑われるのであれば、ぜひとも東邦銀行の直接連絡をとり、見解を尋ねてください。そして、我々の主張に何か過ちがあるのであれば、直接にクレームを我々に伝えるようにお伝えください。