このページは、「Amp社との対話備忘録 I」からの続編です。「備忘録 I」の末尾に示したように、2025年1月14日のAmp社との対話会において生じた様々な問題や疑問について、Amp社の現地担当である鈴木英樹氏は、力不足にて対応しかねると自認され、同社の法務担当・弁護士の長谷部剛氏にバトンが渡されました。以下が、新たな担当となった長谷部氏とのやりとりです。
なお、これらのメールも14日の対話会に参加した住民4名と立会人2名にccされたメールであり、衆人環視の下で交わされたやりとりです。また、これらのメールの公開は、長谷部氏からの了承を得ております。というより、むしろ、長谷部氏の方から積極的に公開して欲しいとのことでした。それでは、どのようなやりとりがなされたのか、ご覧ください。

まず、長谷部氏が鈴木氏の後を受けて登場した時、住民側の率直な反応は、なぜいきなり法務担当なのか?という点でした。
私たちは、Amp社との対話の結果、あまりにも不可解で理不尽な対応が続くので、疑念を募らせ、徹底した説明を求めてきました。
でも、別に訴訟を考えていたわけでもないし、いきなり住民対応の現場に法務担当・弁護士となると、何か物々しい感じがしました。
もっと率直にいえば、なんだか住民に威圧感を与えようとしている印象を持ちました。

しかし、実際に長谷部氏から届いた最初のメールは、威圧感とは程遠い丁寧なものでした。
しかし、丁寧と言っても、中身は非常に不可解なものでした。
私たちが鈴木氏に説明と対応を求めたのは、主として、杜撰な議事録の再提出や約束違反の誓約書を送り付けてきたことへの説明です。
ところが、長谷部氏のメールには、自社の説明や対応の不備を認めつつも、それを訂正し、説明するものではなく、まずは会って話そうという内容でした。
しかも、先日の対話会にオンラインで参加するも一言も発しなかった谷口部長を同伴し、今週すぐにでも福島に出向くというのです。
無理なら電話でもすぐに話そうという積極姿勢です。

しかし、率直に思いました。
「会う前に、やることやってよ。」
誠実な対応とは求められた行為をすること。
ただ、会えば良いというものではありません。

やっぱり、突き返して良かったと思います。
なんと、顧問弁護士さんが担当を引き継いだのは、つい昨日。
しかも、資料も精査せずに、いきなり会いに来ようとしていたことを率直に述べています。
今回のトラブルのひとつは、議事録の杜撰さ。
まず、正確な議事録を作りつつ、なぜ、あのような約束違反の誓約書を出してきたのかの説明が先です。
現状を正確に把握するために相手に会うのは大事。
でも、その前に自分たちのしたことを理解するのはもっと大事。

一応、懸案となっていた質問には回答がありました。
まず、議事録について。
読み始めて、すぐに頭が混乱してきました。
こちらは議事録の修正を求めています。それに対して「修正前の議事録でしか確認できておりませんので」とは全くの意味不明。
だって、まだ修正前なんだから、あるのはAmp社が作ったただの議事録だけ。それを見て、一体、何を確認できるんでしょうか?
「録音を確認して対応します」って、まだ聞いてなかったのですか。
要は何も確認しないで、福島に乗り込んで来ようとしていたみたいです。随分とせっかちな弁護士さんです。そんなに急いで、私たちと会って何を話すつもりだったんでしょう。
次に誓約書について。
約束違反の事実への釈明もなく、あっさり「不要」です。
悪かったのは、こちらを「誤解」させたこと。約束を破ったことではないようです。

他方で長谷部氏は、自社の事業体制やビジネススキームについては、クールかつ流暢にお話できる方みたいです。
いろいろと詳しくお話しくださいましたので、これで改めてAmp社がAC7社という「箱」だけを管理しており、福島の住民に対して適当な対応をする理由が確認できました。
この長谷部発言は、本サイトの各所で、しばしば引用させていただいております。

ただ、長谷部弁護士の説明の中には、鈴木氏が1月14日に住民に対して説明していたことが全くの間違いであったことを示す箇所もあります。
それが、Amp社がAC7社への出資から受け取る配当利益権を売却し、AC7社の出資構成が変わったことについて、行政に届出をしたか否かについてです。
この点について、鈴木氏は行政に届け出ており、行政当局者はこの事実を「承知している」とはっきり答えています。これはAmp社の出してきた議事録にも、そう書かれています。
しかし、長谷部氏は、全く逆にそもそも変更届出はそもそも不要であり、そのような証拠はないとおっしゃいます。
そうであれば、きちんと自社の社員の間違った発言を訂正し、議事録も訂正したいと住民側に申し出るべきです。
また、プロジェクトファインナスのビジネススキームについて、一般人の理解が乏しく、誤解されて困るといったニュアンスの発言をされています。
しかし、事業者の姿を見えづらいスキームを作って住民の目をくらまし、責任逃れしていることが、そもそもの問題なんですよ。

そう、思い出せば、Amp社の鈴木氏の印象に残る発言の一つが、先達山を「見苦しい」とおっしゃったこと。
本人もよく覚えていらっしゃると思いますよ。
わざわざ、録音確認しなくても、鈴木氏に聞けばすぐわかると思いますけど。
改めて、約束違反の誓約書の問題について指摘したくだりについても、やはり、上と同じく「不要」です、と一言で一蹴。
ビジネスにと自説に関しては雄弁ですが、自社の倫理や道義に関する問題については一転して寡黙、緘黙。
長谷部弁護士の特徴と思います。以下のやり取りを最後まで読んでいただければ皆さんにも納得いただけるかと思います。

こうした長谷部氏の特徴が見えたことで、正直、建設的な対話は難しいと思いました。
この気持ち、率直に、長谷部氏にお伝えしましょう。
Amp社の姿勢転換、自浄努力に少しでも期待しましょう、
と言いたいところでしたが、正直、期待はしぼみつつありました。

私の予測通りになりました。
でも、期待していなかったとはいえ、ここまで絶望的な反応が来るとは思っていませんでした。
解説を加えるのも虚しいので、皆さんも静かに流し読みしてください。

静かに読んでだけど、やっぱり、黄色の部分は傑作すぎて一言コメントしたくなります。
約束があったか、なかったかを確認するために「誓約書」の提出をお願いした?
約束があったか、なかったかを確認するのは「議事録」ないし、録音記録ではないでしょうか?
それに基づき自社が作った「誓約書」の中身お読みになれば、約束に反した内容を書いていたことに気づくはずです。
無駄に言葉が多いだけで、最初から最後までまさに支離滅裂すぎてチンプンカンプン。
実はこの時まで、どちらかというとAmp社の問題は、地元住民に対する傲慢な姿勢や社会的責任感の欠如にあると見ていました。
しかし、このメール読んでからは、それに加えて担当者の論理的思考能力にも疑問を感じるようになりました。

ともあれ、最終的には議事録の修正版を出してくださるそうなので待ちましょう。
他方で、相変わらず、対面で会いたいと言っています。
私となんてメールのやり取りだけでも嫌でしょうに、どうしてそんなに会いたいの?
私たちは、こちらかAmp社の皆さんを、住民集会にお招きするぐらいだから、いつでも会う準備OKですよ。
ただ、会う前には宿題こなしてから来てね、と思ってます。
まずは正確な議事録を出すぐらいはやりましょうよ。

長い文章を読んで、当時の私が言えたことは、このぐらいです。
さあ、待っていた宿題が届きました。
最初の修正依頼から二週間。遅い。遅すぎます。
でも、少しは内容的に改善されたようですから、見てみましょう。
修正版も初版と同じリンク先に格納してあります。こちら。

うーん、やはり、問題が多いです。
改めて具体的に問題点を指摘し、長谷部弁護士のお返事を待ちました。
左のやり取りは、1/31付の私の質問に、長谷部氏から2/3付で回答があったものです。
第一点目の回答から、開いた口がふさがりません。
なんと、今になって、Amp社側には、1月14日の対話会の「録音録画はございません」というのです。
長谷部先生、これまで何度も「録音内容を確認する」とか、「録音が存在する」とかおっしゃってましたよね?
でも、実際には持っていなかったし、聞いてもいなかったのですね。それじゃ、正確な議事録作れなくてお苦しかったでしょう。
でも、悪びれることなく「事業者側関係者間で確認はとれてる」って頑張って主張される。

長谷部先生、自社に録音記録がなかったことを認めた以上、残された選択肢は、限られてますよ。
素直に住民側にお願いして録音記録を借りて、議事録の修正をするか、もっと素直に「すみません。うちでは作れないので出していただけますか?」ってお願いしてはどうですか。
私たち喜んでお貸ししますよ。
でも、住民と正直に向きあうこと苦手でらっしゃるんですよね。
議事録の不在を認めて不利な立場になったのを、何とか他の論点で挽回されたいようですけど、かえって開き直っているようで印象悪くなりますよ。
その場にいなかった長谷部先生が、今さら、無理に正当化せずに、あの時、現場にいた方が釈明するなり、過ちをお認めになれば済むのに。
私たちは、隠れオンライン参加者がいたことに、本当に驚かされたし、一方的に見られていたかと思うと不愉快だったので、Amp社や東芝プラント社にはきちんと説明して欲しいだけですよ。

まさか、録音がなかったという回答がくるとは思っていませんでした。
ですから、録音がない以上、こんな追加の質問は不要でしたね。
でも、長谷部先生のすごいところは、もはや不要と思われる論点にも全身全霊で立ち向かわれるところ。
録音なかったと認めておいて、今度はそもそも、議事録とはそんなに厳密でなくて良い。取捨選択は当然だと論点を移される。
でもね、先生。議事内容を取捨選択するためにも、元の材料となる録音記録がないと、そもそも何を取捨選択するかも判断できないんですよ。
私も先生のあきらめない姿勢は好きだけど、理屈の通らない頑張りは、法律家としてどうかと思います。

これ以上の議論は、無駄ですよ。
長谷部流の議事録の定義を並べて、これが住民との対話や、Amp社に対する信頼の醸成にどうつながるんですか?
そもそも、何でこんなやり取り始めたのか思い出しましょう。
先生はAmp社の弁護士ですよ。もう少しご自身の会社のことや自らの置かれた立場を考えましょう。
御社は今、自社の誤った事業運営・展開により、福島の人々を苦しませ、不信感を買い、御社の事業はもちろん、御社の企業倫理、社会的責任が厳しく問われている状況にあるんですよ。
あなた個人のつまらない講義につきあっているほど、福島の住民も暇ではないんですよ。目を覚ましてください。

とは言いながら、私は正直、思ってました。
本当に恐ろしいことだなあと。
私たち福島の山々に限らず、日本各地で大規模再エネ開発を行っているAmp社の法務担当者が、こうした無茶な論理や開き直りで世の中渡れると思っている現実を目の当たりにして。
Amp社が日本で運用しているお金、手掛けている事業の数、そして、それらに巻き込まれて、様々な影響や被害を受ける人々の数。いずれも膨大です。
でも、その巨大な企業の中枢にいる法務担当の弁護士は、実は、この程度と言ったら失礼かもしれませんが、事実なので言いますが、この程度の論理と常識で法務を担当しているのです。
だとしたら、Amp社の手掛けている事業の現場でも、同様に無茶な論理や手法がまかり通っていることは決して想像に難くありません。
この事実を福島の住民に知らせるには、やはり百聞は一見に如かずです。
議事録や誓約書の問題の落とし前をつけさせてはいませんが、とりあえず、長谷部氏を福島に招待して、直接、住民の皆さんの前で語っていただこうと思いました。
もちろん、閉鎖的で威圧的な会場でなく、完全自由な空間で。
折よく福島市内で集会を予定していましたから、お声掛けしてみました。

やはり、毎度、お忙しいようで、ご参加いただけませんでした。
でも、議事録や誓約書の話題が消えると俄然、お元気が出るようです。
でも、最後の一言はちょっと余計でしたね。
こちらは、もともと予定している集会があるから、お声かけしてみただけです。
それが、次回はもう少しこちらの予定も考えて、余裕をもって連絡してくれと言わんばかりは、ちょっと偉そう。
私も挑発に載せられて、一言返したくなってしまいました。
私も長谷部先生と似てますね。認めます。

でも、余計とは思いつつも、言ってることは本当にそう思っていますよ。
あれだけ巨大な迷惑・危険施設の事業責任を担いながら、福島に誰も常駐していないんですから。去年の土砂流出事故の対応も遅かったですよね。
それと、議事録も誓約書のこともすぐ忘れたように、ご自分の最近の言動もお忘れになる。
最初から今からでも飛んでいきますって勢いで、私たちに会いたがっていたのは長谷部先生の方じゃなかったでしょうか?

それでは、来月お会いしましょう。
こちらは、この一か月間も、あの山見ながら悔しい思いで、日々、生きてます。
先達山に降り積もる雪を見ながら、もっと積もれ、もっと積もれ、工事を遅らせろ、と願いながら。
そして、激しい吹雪が吾妻連峰をすっぽりと覆い、先達山が視界から消える時、束の間の心の安らぎを得ながら。
私の余計な一言に、おつきあいご苦労様です。

今度は長谷部流ビジネスマナーのご講義ですか。

ありがとうございました。お説拝聴しました。
私が最も心に残ったのは、最後の三行でした。
それでは、来月、よろしくお願いします。
自腹で会場代払って、お迎えしますよ。

再度、ご高説拝聴しました。

ようやく、ここまで来ました。
我らが新しい市民センターの開館日は、3月1日。
ちょっとした、こけら落としのイベントになるかな。

でも、待てど暮らせど、なかなか長谷部氏から最終了解のお返事が届きませんでした。
もしかして、ドタキャン、雲隠れ、なんて想像しなかったかと言えば、うーん・・・
ようやく、お返事きました。
この間に立ち上がった私たちのサイトをお勉強されていたのですね。それは朗報です。
それと、「適切な人選」にお時間をかけられたのこと、感謝・・・と言いたかったのですが、絶句。
全く代り映えしない顔ぶれではないですか、1月14日と。
Amp社って本当に人がいないんですか?この同じ人を選ぶことを「適切な人選」と呼び、数週間をかける。
やっぱりAmp社は不思議な会社です。

でも、もうさすがに、余計なことは返すのはよします。
無事にきてください。お待ちしております。
・・・・・
こうして、2025年3月13日(木)の18時20分ごろ、Amp社のお三方は、約束通り、福島市民センターにおいでくださいました。
この続きは、どうぞ、私の余計な解説なく、直接映像でご確認ください。こちら。
ちなみにAmp社のどなかたからも、いまだ未提出の1月14日の議事録、約束違反の誓約書についての説明は、頂いておりません。
このまま、何もなかったことにするお積りでしょうか。