今月から開催されている福島市議会(令和8年3月定例会議)にて、先達山問題についての質疑が相次いでいます。
これらはすべて録画映像で確認できます。 福島市議会 令和8年3月定例会議の録画映像
この中で、最も注目すべきは、3月6日に真田広志議員(真結の会)が行った代表質問です。この質問の後半(以下の録画記録の41:20~49:00頃)において、同議員は「郷土の景観と哲学的自治」というタイトルで、先達山問題に関する質疑を行っております。
この冒頭で、同議員は議論の前提となる基礎認識として、先達山は「単なる土地ではなく、文化的景観という無形の財産」であること、また地方自治とは「単なる事務処理ではなく、地域の固有性を守るという概念・観念を制度して確立すること」を明確にします。そして、それに続けて、「財産権」を楯に市民や行政のから批判や介入を拒もうとする事業者を念頭に、財産権を定めた憲法29条も決して無制限の自由を認めているわけではなく、第二項において公共の福祉に適合するように用いられるべきことが要請されていることに留意し、たとえ「設置が強行され、売電が開始されたからと言って、事業者が負う公共の福祉に対する責任が消滅するわけではない」のであり、「行政法における不遡及の原則は、過去の設置許可を覆すことを禁ずるものであっても、現在進行形の不適切な状態を放置しても良いという免罪符ではない」との立場を明らかにしています。
こうした認識に立った上で、同議員は馬場市長に対して「行政長としての強い裁量権の行使により、いかに実効性ある是正へ繋げるのか」について、その見解と覚悟を問いただしたのです。さらに同議員は福島市が具体的に取るべき対応として、例えば、既存のメガソーラー事業者の責任を継続的に問い続けるための再エネ規制条例の強化、施設の転売による責任放棄を防止する法的枠組みの整備などをあげ、さらには、現在、福島市が先達山メガソーラー工事の完了届を受理せず「未完了」としている以上、これを事業者を動かし、「市民を守る戦略的カードとして活用すべき」ことまで提案しております。
他にも同議員の質問には、正確な情報・事実認識に基づく、優れた見解・質問が多数含まれております。正直、福島市議会において、これほど見事な質疑がなされるとは予想していなかっただけに、本会としては大変驚くと共に、非常に心強く思いました。
他方、これに対する馬場市長の答弁(1:11:35秒過ぎ~)は、就任後、初の定例議会ということもあるのか慎重サイドに流れ、踏み込んだ答弁はなく、明確さを欠いた印象です。ただし、先達山メガソーラーは、土砂流出、景観悪化、光害を顕在化させた問題案件であり、とりわけ、事前の予測と「著しく乖離した景観」を出現させたまま、工事を強行した事業者により、景観を愛する市民の文化やプライドが奪われ、市民が耐えがたき痛み・悔しさを抱えている事実を強調し、市長として、この現実をしっかりと受け止めるとの立場を改めて表明されましたので、今後の市長の行動に期待です。
このように現在進行形で、市議会では先達山問題が大変活発、かつ有意義な形で論じられています。ところが、民報、民友はあいかわらず、この辺りの報道が弱いようです。
やはり、私たち市民が自ら市議会を直接に傍聴したり、オンライン中継を見たり、あるいは立派な質疑をする議員への応援メッセージを送ったりするなど、主体的に関わりつつ、市議会・市政全体を「注視」してい行く必要があります。