東邦銀行からの回答 2025年11月20日付

先日のFTVニュースで、東邦銀行頭取が先達山融資について問われて、曖昧な弁明に終始したことは、本HPでも報じた通りです。
「東邦銀行頭取、先達山への20億円融資を記者会見で弁明」(25/11/21)
これとほぼ時を同じくして、本会にも先に東邦銀行宛に提出していた先達山融資に関する質問状への回答が寄せられましたので、ここに紹介いたします。
 この回答を見る限り、この福島を代表する第一地銀は、故郷の山や景観を破壊し、地元社会に深刻な対立や分断を招いた問題案件への融資を通じて、今後、何十年も利益を上げ続けることに何らためらいはなさそうです。東邦銀行がこのような銀行であることを、この機会に地元住民はしっかりと認識し、記憶すべきです。また、先達山案件に憤りを感じている地元の企業、株主、資産家の皆さまは、これを機会に、東邦銀行とのお付き合いのあり方について、ぜひとも考え直してて頂きたいものです。無残に破壊された先達山を見て視線を落とす住民。無残に破壊された先達山で儲けて胸を張る銀行。この奇妙なコントラストこそ、福島の矛盾した政治・経済の現実です。果たして福島に「経世済民」を実践する行政はありや?銀行はありや?

冒頭から東邦銀行は、質問に正面から答えません。

こちらが尋ねたのは、現状の問題を放置したまま、先達山の商業運転開始を適切と思うか否かです。

東邦銀行はこれに答えないどころか、逆に今になって、住民の懸念解消には「長い期間が必要であり、即時に対応することは困難」など開き直りとも見える姿勢を見せ始めました。

これまで「適切なモニタリング」を実施してきたのであれば、なぜこの案件が住民からの強い反発を招いたのか、また解決に長時間を要するほどまでに環境/景観破壊が進んでしまったのかについて、深刻に反省して然るべきでしょう。

ところが、東邦銀行には、自行のモニタリングや判断上の問題を謙虚に認める姿勢は皆無です。

そして「遵法性」を楯に、この案件への融資を正当化します。

こちらが尋ねたのは、東邦銀行の企業理念やCSRに照らして、先達山融資をどう考えるかです。合法か違法かではありません。

東邦銀行のHPにはこうありますよ。
「私たちは、お客さま第一主義に徹し、社会課題の解決を通じ、持続可能な社会の実現に貢献します」
熱意(Passion)私たちは、地域社会貢献への情熱を何よりも大切にし、ふくしまの成長のために汗を流します。
誠実(Integrity)私たちは、高い倫理観を持ち、誠心誠意お客さまと向き合います。

これだけ福島の第一地銀として地元への貢献を口にするのであれば、融資判断や融資先への監督・指導にも主体性を発揮すべきです。

しかし、表向きは地元社会に寄り沿う地銀のイメージを打ち出しながらも、先達山の環境や景観を破壊した事業責任者であり、融資先でもあるAmp社への指導や監督に対しては、東邦銀行は主体性を発揮しません。

すべては協調融資(シンジゲートローン)の主導者(アレンジャー)であるSBI新生銀行の責任であるかのような回答です。

地元の融資案件であるのに、単に座して待つだけの姿勢が良く分かります。

座して待つだけの姿勢は、光害への対応にも現れています。

何と東邦銀行は、あの大規模な光害ですら、報道に接するまで気が付かず、行内で独自に調査することもないのだそうです。

すべて行政任せ、事業者任せ、アレンジャー任せ。

東邦銀行の「モニタリング」の水準が知れる回答です。

地元中小企業への融資にはお厳しいとの噂も耳にしますが、Amp社にはお緩いようです。

続いて、本会が以前にも指摘した東邦銀行幹部が福島市の環境審議委員に名を連ねていることの問題。

しかし、東邦銀行の「サステナビリティ戦略推進課」は、融資案件の評価・判断に直接かかわらないから問題ないとの答え。

だからと言って、この環境審議員を務める鈴木氏は、審議会で得た情報を東邦銀行内に持ち帰って、行内の他部署と共有しないんでしょうか?

福島市の環境審議会に出てみればわかりますが、必ずしも議論や発言の内容は、諮問内容だけに限定されておりません。

東邦銀行の方は、環境審議会の議事録を読まないんでしょうか?

去る8月の第二回の環境審議会では、冒頭に委員長が、先達山問題は、再エネ事業による「新たなる公害」であると問題提起しているんですよ。(議事録はこちら

なのに、光害は「報道内容」から知るんですか?お宅の社員が出ている審議会の情報は、一体、行内の誰に報告され、何に活かされているんでしょうか?

まさか、審議会の情報をいち早くキャッチして、市民や行政からの追及に対処しようとされているんでしょうか? 

ともあれ、今回の回答を見ても、東邦銀行については、残念に思うことばかり。

でも、やはり、諦めるわけには参りません。

地元の第一地銀に、こんな姿勢のままでいてもらっては困ります。

話せばわかる点もあるでしょうし、意見を交わせば妥協点も見いだせるかもしれません。

地元の問題を一緒に考えるために、東邦銀行さんとも話したいですよ。

市の審議委員会に人を出すぐらいなら、直接、市民と話しましょうよ。

でも、拒否です。東邦銀行には地元の問題を共に考える姿勢は皆無のようです。

何で「エージェント」を通す必要あるの?

東邦銀行は自ら動かないの?動けないの?

我らが第一地銀の悲しい現実。