本会が2025年1月17日付で出していた東邦銀行あての公開質問状に対して回答が届きましたので、皆さんと共有いたします。
こちらが、本会代表名で送った東邦銀行の頭取様宛の書簡と質問状です。1月17日付です。
この書簡を読んでいただければ、なぜ本会が頭取宛に直接に質問状を送ったのか、その経緯も記してあります。
次に、東邦銀行から本会代表宛に届いた回答は、以下に添付した通りです。(画像にすると解像度が落ちるのでPDF版はこちら。)
ちなみに、本会がお願いしていた回答期限は2月11日。東邦銀行の回答の作成日(最終確定日)は2月10日。
このタイミングを見ると、本会が報告会を開く2月10日ぎりぎりまで待って、回答を送られたとの印象です。
もっと早く送って下されば、2月10日の報告会で、東邦銀行からの「回答なし」と報告することもなかったのですが。
ともあれ、ギリギリとはいえ期限内に回答を送って下さったことには感謝申し上げます。
以下、この内容に対する私たちのコメント・問いかけを付して、全文をご紹介します。
このコメント・問いかけは、後日、整理してまとめた上で、新たな質問状として東邦銀行にお送りする予定です。
皆さんの中にもご質問がある方があれば、本会までお知らせください。可能な限り、盛り込みます。
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回答1について
- 新生銀行からのお誘いがあった時、東邦さんには地元銀行として「地元の名山の麓でメガソーラーなんて、やりづらいなあ」といった迷いは生じませんでしたか?
- アレンジャーから示された「事業計画」中にはAC7社/アーク社が提出したずさんな景観予測も含まれていたのではないでしょうか?[本サイトの「福島市の対応上の問題」をご参照]
仮に東京の新生銀行さんが景観予測の問題を見逃しても、それに気づいて指摘してあげるのが地元銀行の「精査」ではありませんか?。 - 東邦さんが確認したのは、県が「林地開発許可」を出したという事実だけであって、AC7社が提出した「林地開発許可申請書」や森林審議会での審議内容ではありませんよね。[福島県の対応上の問題]
お上のお墨付きがあっても、先達山案件は住民から猛烈な反発を招き、その生命まで脅かしかねない事故も起こしました。融資元として不安ではありませんか? - そうであれば、今からでも、この「林地開発許可」が妥当であったか、私たちと共に検証しなおしてみませんか?これらの重要情報は、現在、県知事が「非開示」にしていますが、これを一緒に開示させましょう。そして、同じ情報に基づいて、私たちと一緒に先達山案件の妥当性を再検証しましょう。それこそが、地元の住民に寄り添う地銀に本当にふさわしい姿ではないでしょうか?
回答2、3について
- 東邦さんは融資元です。融資先の事業者が景観予測と全く「乖離」した工事を行っていることを認識したら、普通は「騙された、けしからん」と注意・警告できる強い立場にあり、その責任もあります。
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- それなのに「乖離」を認識しておいて、いまだ融資先の工事が「当初の計画通りの施行」しているとおっしゃる。なかなか、私たち一般市民には、こうした東邦さんの独特の論理は理解できません。
- 私たちが理解できたのは、結局、東邦さんは事業者が景観予測と「乖離」した工事を進めているのを知りながら、独自の調査・確認を行わなかったということです。誤解でしょうか?
- 「景観予測は予測であり、造成段階の景観とは異なる」と開き直ったAC7社の発言に対して、東邦さんはどう反応されましたか?福島の景観を軽く見る融資先の発言を、融資元の地銀として正そうという姿勢をお示しになりましたか?
- 太陽光パネルは光を当てるためのものです。緑化したところで、パネルが覆われることもなければ、景観が戻ることもありません。こうした単純な疑問を行政・融資先には提示されましたか?
回答4について
- 新生銀行は「グリーンローン」の制度がある。東邦さんにはない。したがって、一緒にシンジゲートローンを組んでも、東邦さんの融資は「グリーンローン」と呼べない。したがって、環境にプラスの影響をもたらす責任はない。そういう主張でしょうか?
- 対外的なプレスリリースはアレンジャーがやるものだから、自分たちはただ黙ってみてれば良く、自らの融資について何ら説明する必要はない。この理解であっていますか?
回答5について
回答6について
東邦さんの回答はいずれもそうですが、融資元として、融資先を適切に監視・監督するという積極的姿勢や責任感が乏しいです。
先達山案件は、福島の人々が長く愛し、守ってきた景観を一変させました。AC7社の工事は、東邦さんも認めるように、景観予測と全く「乖離」した醜悪な景観を出現させました。これは法令違反でなくとも、融資元の東邦さんから見れば、明確な約束違反であり、いくらでも調査・指導できたはずです。
しかし、東邦さんは、この間、融資先の事業に対する住民の不満や不安の高まりを知りながら、約束違反の景観を出現させた融資先の指導に動いた形跡がありません。それどころか、東邦さんは、そもそも融資の事実すら公表せず、沈黙を守り続けてきました。今回、ようや私たちの質問状に答えて融資事実を認めてくださいましたが、今後も相変わらず融資先を遠くから眺め、明らかな違法性が表に出ない限りは、座して待ち続ける姿勢のようです。
東邦さんは待てば待つほど利息収入が入ります。
私たちは待てば待つほど心と魂が傷つきます。