『日経ビジネス』誌が新年号(12/29、1/6合併号)にて、「岐路に立つメガソーラー 新技術で乱開発を防ぐ」のタイトルの下、見開きで計8ページにも渡る詳しい分析記事を掲載しました。同記事では大規模な森林伐採や土地造成により生態系や環境を破壊し、土砂災害等のリスクを増やす乱開発型メガソーラーとして北海道・釧路、千葉県・鴨川、そして福島・先達山を挙げて、その問題の構造や背景、住民の反発や懸念の声を詳しく伝えています。とくに先達山については、本会がSBI新生銀行、東邦銀行、また三菱UFJや大阪ガスが出資するZエナジー社など、先達山開発事業者に融資する企業の責任についても追及していることを紹介したうえで、SBI新生銀行やZエナジーにもコメントを求め、同社らが事業は適切な手続きを経て行っていると「一般論に終始」した回答があったことを伝えています。
こうした乱開発型メガソーラーの問題を概観した後、後半では地域住民とのトラブルを避けるために工夫がなされた事例や、大規模な開発を伴わずに発電を可能とする技術、またそれを導入した事例などを詳しく紹介します。こうした他地域の事例を知れば知るほど、本当に真剣に持続可能な開発や地域共生を考える事業者であれば、決して先達山のような乱開発には手を染めなかったでしょうし、その必要性もなかったことが見えてきます。
他方で、こうした他地域の事例を知れば知るほど、福島では政治、行政側の怠慢が、問題をより深刻化させたようにも思えてきます。釧路では市会議員が先頭に立ってメガソーラー工事内容を精査し、法令違反を追及し、行政を動かしています。また、鴨川でも住民からの声を踏まえ、千葉県が事業者に対して繰り返し指導を行い、最終的に工事中止要請を出しています。翻って福島はどうでしょうか?この問題で先頭に立ってくれている市会議員、県会議員はいるでしょうか?福島市、福島県が本気でこの案件に関心を寄せ、市民・住民が納得できるような調査や指導を行い、その成果を示した事実はあるでしょうか?
ちなみに同記事では釧路、鴨川、先達山以外にも、静岡・伊豆、熊本・阿蘇、奈良・平群、長崎・宇久島のメガソーラーを、全国を代表するトラブル事例として一覧表にあげています(p.38)。しかし、この中で県庁所在地は、福島市・先達山のみです。市役所からも県庁からも一望できる景観を破壊し、市民二十数万が目撃できる「光害」まで発生させている超問題案件を、今日まで全く中断も再調査もせずに工事を進めさせ、売電開始まで許してきた福島県・福島市が、全国的にも希な(異様な)都市・県都であることを示唆するものです。
ともあれ、今回の特集は、まさに「岐路に立つメガソーラー」業界の最新の現状・問題を理解する上で格好の内容です。先達山に関心を寄せる皆様には、ぜひとも書店・ネット等でご購入いただき、ご一読をお勧めします。なお、この記事をベースにしたデジタル版の記事もございます。有料記事ですが、ぜひこの機会に購入・講読をお勧めします。地元メディアが報じないニュースを知り、福島を相対化する視点を持つための投資と思えば、とてもお得でお安いですよ。
① 釧路や鴨川で建設反対運動が勃発、岐路に立つメガソーラー 新技術で乱開発を防ぐ:日経ビジネス電子版
② [新連載]メガソーラーの乱 釧路や鴨川、反対運動の現場から見えた政策のねじれ:日経ビジネス電子版