9月議会では自民会派の宍戸一照氏、共産党の村山国子氏に続いて、公明党の後藤善次議員も一般質問に立ち、先達山問題について集中質問をしました。改めて先達山問題が、党派の違いを超えて「オール福島」で追及すべき喫緊の課題として市民に認識されていることの表れと思います。
→ 後藤善次議員 一般質問 令和8年9月定例会議本会議の録画映像 9月10日
今回の後藤議員の質問(上記映像50:01秒~)は、福島市が、先達山の開発計画を景観条例に照らして審査する際、専門家による景観審議会を開かずに、市側の判断だけで「適合通知」の判断を出したことの是非について質すものでした。すなわち、果たして市側の審査過程の適切さであったのか、結果としてこれほどむごい景観を出現させ、今日までそれを放置していることに対して市側の認識を問う内容であり、非常に重要な問題提起でした。まさに、市民が普段から聞きたいことを代弁してくださった感じです。以下、後藤議員の質疑内容をまとめたページを作りました。ご参照ください。
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①市の景観条例に基づく「景観アドバイザー制度」は活用されたのか?(50:01~)
Q1(後藤善治議員、公明党)
先達山の景観や光害が市民の間で大きな問題となっている。8月21日「あづま山の景観と自然環境を守る会」は先達山のメガソーラーが福島市景観条例に適合するとの通知を取り消すように市に申し入れた。そもそも適合審査にこの福島市景観条例や「福島市景観まちづくり計画」が適切に運用されていたのか確認が必要ではないか。
市はこの(適合審査のための)事前協議の際、その計画が景観に配慮する事項から逸脱すると思われる場合、必要に応じて学識経験者や専門家から助言を受ける「景観アドバイザー制度」を創設するものとしているが、先達山の事前協議の際には、景観アドバイザー制度は適切に機能したのか?
A1(都市政策部長)
先達山に関しては、事前協議の際、「福島市景観まちづくり計画」に基づき審査した結果、景観に配慮した計画であったことから、景観アドバイザー制度は活用していない。
一方、完成した施設に関しては、事前協議の内容と乖離しており、事業者の景観予測の不正確さを見抜くことが出来なかったという反省もある。今後は事前協議の内容が完成時まで適切に反映されるよう必要に応じて景観アドバイザー制度を活用するなど、より適切な景観形成に努めていく。
②景観審議会を開催しなかった理由は?(52:20秒~)
Q2: 適合審査を行う場合、担当課だけの判断ではなく、必要に応じて景観審議会から意見聴取を行うと規定されている。今回の適合審査で景観審議会から意見聴取は行われなかった。今回のように全国で有名になってしまった先達山に対して景観審議会から意見聴取しなければ、どのような案件に意見聴取は行われるのか?そもそもこの規定は何のためにあるのか。先達山に対して景観審議会からの意見聴取をしなかった理由は?
A2: 先達山太陽光発電所については事前協議の際、景観や色彩に配慮する事項を定めた「福島市景観まちづくり計画」に基づき審査した。その結果、提出された届出は景観に配慮した計画であったことから、景観審議会により意見聴取は実施していない。
一方、完成した施設については、事前協議に示された内容と乖離があるため事業者の景観予測の不正確さを見抜くことが出来なかったという反省もある。今後は景観形成上特に重要と認められる案件については必要に応じて景観審議会から専門的な意見を聴取するなどより適切な景観形成に努めていく。
③再度、適合審査を行うべき(53:57~)
Q3:現在、市はフォトモンタージュ法に基づく届け出を出して適合通知を受けた事業者が、その景観予想通りの景観になるように進めなければならない段階にあると言っている。しかし景観予測と乖離した状況が営業運転開始から一年近くも経過している。どう考えてみても湖のように見える(=はげ山と反射するパネル)環境の改善は困難だと思われる。また市が今年の夏に光反射に対する6地点での現地調査で43分間から108分間反射継続していることはまさしく光害であり、市も市民に対し注意喚起しなければならない状態になった。これは景観に対する新たな社会問題ではないだろうか。市は景観条例にもとずく完了届を受理しないとの方針だけでなく、適合通知後に行為の内容が変更となる場合には変更届を提出するとなっていることから、更に再度適合審査が求められるのではないか。景観の改善が困難な場合は、事業者に変更届を提出させ、再度適合審査を行うべきと考えるが、市の見解は?
A3:福島市景観条例上、設計等に変更が生じていない段階で景観予測との乖離を理由として事業者に変更届を提出させ、改めて適合審査を行う事は難しいものと認識。
しかし、先達山については当初示された景観予測と実際の景観との間に大きな乖離がある状況だ。こうした状況を踏まえれば市としては現状をこのままの状態にしておくのではなく、当初示された景観に出来るだけ近づけ景観を回復させることが重要だ。このため景観条例に基づく完了届についてはフォトモンタージュ法による景観予測と同様の景観回復状況を確認したうえで受理するとの方針を事業者に伝え、事業者に対して具体的な是正改善を強く求めている。現在、事業者からはの法面への常緑樹の植樹やその後の生育管理などについて報告を受けている。市としては今回の対応を踏まえ景観の回復が確実に図られるよう今後も事業者に対して責任ある対応を強く求めるとともに、必要な確認を継続して実施する。
(質問ここまで)
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以上が、後藤議員の質疑です。短いコンパクトな質疑ですが、これまでの市側の対応の問題点をあぶり出しています。ここに提示された情報は、今後、市民が市側に何を求め、何を注視していくべきかを考えるうえで非常に有益と思われます。
今回の①、②の質疑により、市側が先達山の開発計画の審査に際して、外部の有識者や審議会委員らの見識を求めず、全て市役所の役人だけの判断で「適合通知」を出したことが明らかになりました。言うまでもなく先達山は、吾妻山麓の重要な景観を構成する重要な山であり、その斜面を60ha以上も伐採・開発する計画であれば、通常の案件以上に、その景観への影響が慎重に審査されて然るべきです。ところが、市側はこの巨大開発案件についても、審議会や有識者の意見を一切聴取せずに、独断で審査し、適合通知(許可)を出していたわけです。
わざわざ景観審議会委員会やアドバイザーを制度があるにもかかわらず、これらを活用せず、市側の判断だけで「適合通知」を出したとなれば、これはもはや偶然ではなく、意図的に回避したと見られても仕方ありません。少なくとも、当然に活用できるし、活用すべきであるのに、それを活用しなかった結果、このような景観破壊を招いたわけですから、これは市側の不作為(果たすべき義務を敢えて行わない)の脚気であり、その責任が問われる事態です。後藤議員が、先達山ほどの問題案件が、審議会の審議対象にならなければ、一体、どんな案件が審議会にかけられるのかと、問うているのはまさに問題の核心をついており、見事な質問です。
この点について、都市政策部長は「提出された届出は景観に配慮した計画であった」から、審議会やアドバイザーに諮る必要がなかったと正当化していますが、その一方で「景観予測の不正確さを見抜くことが出来なかったという反省」があると認めています。つまり、事実関係を正確に言うならば、最初からこの計画は景観に配慮した計画ではなかったのに、それを市役所が見抜けずに、許可したという過失を犯したのです。しかも、その過失は、条例に定めた景観審議会やアドバイザー制度を活用していれば避けられる可能性があったにもかかわらず、それを不必要と判断した結果、生まれたものです。となれば、先達山の景観破壊の責任は、市役所が負うべきことになるでしょう。
しかし、現在までに事業者が提出したフォトモンタージュは虚偽に近いものであったことが明らかとなっています。そうであれば、市側が騙されて「景観配慮した計画」であると誤認した、つまり事業者に騙されたということになります。そうであれば、市側は事業者を質し、計画書を再提出させ、後藤議員が②で求めた通り、今からでも景観審議会を開き、この案件が本来、許可されるべきでなかった案件であったことを今からも明らかにすべきです。
にもかかわらず、「反省」を口にしながらも、なぜこのような「過失」が生じたのかの原因を自ら検証もせず、また事業者の過失や責任も問おうとしない市役所の姿勢は異様です。しかも、市役所の「過失」や事業者の「虚偽」によってもたらされたのは、単に景観の破壊だけでなく、「光害」という「新たな社会問題」も含まれるのですから、このような異常事態を前にしても、「計画に近い景観に近づけるよう事業者に求めていく」などと決まり文句を繰り返すだけの市役所には不信感が募ります。
このように今回の後藤議員の質疑により、市役所が自らの過失を認めず、反省せず、将来に向けても有効な対策を講じるとは思えない点が見えてきました。となれば、このような市役所・市政を変えるために、今以上に声をあげる必要性が出てきます。市民は身近な議員と協力し、働きかけ、粘り強く、市側に反省と行動を求めていく必要があります。
なお、議員への働きかけについて市民の参考にすべき情報として、次の事実を指摘しておきます。
今のところ9月議会で先達山について集中的に質問した議員は、自民系会派の「真結の会」の宍戸一照市議、「共産党」の村山国子市議、そして「公明党」の後藤善次市議です。他方、同じ自民系会派であっても「真政会」、また立憲系の「市民21」の議員は、先達山について未だ質問がありません。
このあたりの政党・会派による先達山問題への明確なスタンスの違いを、市民は注視すべきです。先達山の問題の解決に向けては、もはや既存の政治的な立場や党派にこだわるよりも、その議員が「質問派」であるのか、「だんまり派」であるのかを見極めるのが重要です。 来年には福島市議選が予定されておりますので、この点は重要な参考材料になるでしょう。議員各位におかれても、果たして「沈黙は金なのか」、あるいは「沈黙は沈没なのか」をよく考えていただきたいものです。